ホノルルリアルター協会が発表した統計を元に2025年2月のオアフ島不動産マーケットについてにレポートする。
2025年2月のオアフ島の不動産統計は、戸建ての中間価格が過去最高となる1,185,000ドルを記録する一方で、戸建てコンドミニアムともに総販売件数が下落すると言う、モザイク模様の結果を表す1ヶ月となった。
ホノルルリアルター協会による 2025年2月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比10.2%増の$1,185,000
- 戸建住宅の販売数は167件、前年同月比で6.7%減
- 売出期間は先月よりも2日短くなり、23日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で13.6%減の$494,000
- コンドミニアムの販売数は293件、前年同月比で12.3%増
- 売出期間は先月より9日遅くなり、48日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
2025年2月のハワイの戸建て不動産の中間価格は、過去最高記録を更新した。前年同期比10.2%上となる1,185,000ドルをマーク。
2022年5月に記録した。1,153,500ドルを大きく上回る過去最高額となった。
しかし、今回の最高値更新は、2022年5月と様子が変わり、買い手の競争による加熱ではなく、販売件数の減少と価格帯の変化が挙げられる。全体として高額価格帯(1,100,000〜1,390,000ドルゾーン)の販売が27%を占め、前年の21%から増加した。
その一方で、コンドミニアムの中間価格は前年同月比3.6 %増の494,000ドルとなり前年2月の512,500ドルから下落を見せ500,000ドルを割り込んだ。戸建てとコンドミニアムが対照的な動きを見せた1ヵ月と言える。
価格帯別の販売件数
価格帯別の販売件数を見ていく。
前述のように戸建てに関しては1,100,000ドルから1,490,000ドルの価格帯が71件と最多ボリュームとなり、前年同月比でも16.9%の伸びを示した。伸び率だけで見ればさらに高額である。1,500,000ドルから2,000,000ドル未満のゾーンが42.1%の大きな伸びを示した。
コンドミニアムは最も売買件数が多かった。価格帯が300,000から400,000ドル未満のゾーンで58件となった。
売出し期間
物件の売り出し期間は、戸建て住宅の中間価格で23日となり、先月からは2日間、昨年同月比では7日間の短縮となった。
コンドミニアムの方はチャートで見てもわかるように売り出し期間の伸びが顕著となっており、右肩上がりとなっている。前年同月も先月も39日だったものが、今月は48日と長期化している。2023年の夏頃までは、戸建てとコンドミニアムの売り出し期間は大体足並みが揃っていたが、2023年後半あたりから、チャートに大きく差が出る形となり、戸建て先行のマーケットが続いている。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫も増加傾向を見せた。戸建て住宅の在庫は前年同月比21.5%増コンドミニアムにおいては55.6 %増となった。
新都市物件数の動向は、戸建て住宅とコンドミニアムで対照的な動きを見せた。子育て住宅の新規売り出しが4.7%減の281件だったのに対し、コンドミニアムについては20.3 %増の641件をマーク。コンドミニアム市場では、あらゆる価格帯での売り出し物件が増加し、特に300,000ドルから600,000ドル未満の価格帯の新規売り出し物件が全体の約50%を占めた。タイミングを見計らっていた売り主が、2025年を待って、一気に動き始めたように見える。
トランプ政権が発足してから、2ヶ月が経過したアメリカ。日銀は利上げ、FRBは据え置き、という動きの中で、円ドルレートは140円台の円高傾向を見せた。
円ドルレート大きな影響を受ける日本人のハワイ不動産の売買が、今後のマーケットの動きにどう関わってくるかにも注目だ。
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