契約編 2・購入契約書の重要事項とキャンセル可能なタイミングについて

契約編 2・購入契約書の重要事項とキャンセル可能なタイミングについて

更新日 2018.09.01

ハワイ不動産の購入契約書の中で特に重要な事項について説明します。また気になるキャンセル可能なタイミングについてもまとめました。
 

購入契約書(Purchase contract) の重要事項まとめ

購入契約書(Purchase contract) の重要事項では、購入や取引に関する金額・負担割合の明記、また送金や承認などプロセスごとの〆切りが切られます。その〆切り日時は、日本との時差などを踏まえ、実行可能な日程に設定する必要があり、エージェントの交渉力が問われるところでもあります。

余談になりますが、英語の契約書内では選択=X、非選択=N/A(not applicable)と書きます。日本式に、〇とX、してしまわないよう、ご注意を。
 

B-1 Initial Earnest Money Deposit

最初の手付金の金額(通常$1000前後)。
 

C-1 Addenda 付加項目

多くの場合、"As-Is Condition"(現状有姿引渡)が選択されています。これは現状での売却に合意する契約書が別添される、という項目です。今の状態で売りたい、という売り手の意向です。しかし、文字通り、現状のままということではなく、物件調査(インスペクション)で後日発覚した修繕などがあれば、売り手に対してその分の値引きを求めるなど、交渉余地はあります。
 

D-1 Offer to Buy (オファー期限)

買い手(バイヤー)からのオファーがいつまで有効か、という売り手からの回答期限。

D-2 Purchase Price (購入金額)

最初の手付金とその支払い期限
B-1条項で書いた$1000前後の手付金を購入契約書の合意の翌日まで支払うのが一般的。

追加手付金の金額とその支払い期限(購入価格の10%前後を、物件調査=インスペクション終了後の1-3日に支払うのが一般的。

残金とその支払い期限(残金全部を契約完了の2日前までに全額支払うのが一般的)

そしてその総額が明記されます。
 

E-2 Inclusion (含まれる家具など)

エアコンや洗濯機などの家電類や家具類などが列記されます。
 

F-2 Scheduled closing date(取引完了予定日)

契約の完了、買い手が新たな物件所有者として登記される予定日です。売り手が売却を急いでいると短期間で設定されることもありますが、購入契約書の合意から通常30日~45日に設定されます。

買い手がキャンセル理由とできる重要項目

4つの項目が、買い手側がキャンセルの理由とできる購入契約書内の項目です。

I-1 Seller's Obligation to Disclosure 売主情報開示義務

購入契約の合意後、通常10日以内に、物件に関して売り手が知っていること細かく記入した書類を提出します。物件の修理、欠陥、過去に起きた水漏れなどの事実が列記されます。この内容に不満があれば、この時点で期限内にキャンセル可能です。

J-1 General Inspection of Property Contingency 物件調査結果の承認

買い手は、自己負担で物件調査(インスペクション)を行うことができます。これは資格をもつプロのインスペクターに数百ドルを払ってやってもらうことが多いです。水回りや、電気系統、壁・床など壊れている、修繕が必要な部分を写真付きでレポートしてくれます。短時間の内見でわからなかった不具合が発覚することもあります。ここで不満がある場合にも、期限内にキャンセル可能です。このインスペクションでOKだった場合、中間手付金が設定されることも多く、重要なステップです。購入契約の合意後、通常7-14日以内に期限を設定します。
 

M-1 Contingency on Documentation Approval コンドミニアムドキュメントの承認

組合がある場合の物件に関し、売り手より、直近3回の組合役員会の議事録や、規約、保険などの分厚い書類が提出されます。将来の修繕積立金、改修計画など重要事項が含まれています。この内容に納得ができない場合にも、キャンセル可能です。通常、購入契約の合意後。5-10日以内に期限を設定します。
 

H-3,H-4 Financing Contingency 買い手のローン条件の解除

買い手がローンで物件購入する際、期限内にローンを申請し、承認が下りなかった場合、そのままキャンセルできます。


いかがでしたか?細かい英語の資料になりますので、エージェントに詳しく確認して、買い手に不利にならない設定に持っていきたいところです。

次は、日本にない仕組み、エスクローについて詳しく解説します。

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