ハワイで子育て・バイリンガル教育をする際の年齢別のポイント

ハワイで子育て・バイリンガル教育をする際の年齢別のポイント

更新日 2018.09.25

ハワイでの子育てで欠かせないのがバイリンガル教育の問題です。教育のポイントについて解説します。バイリンガル教育を成功させるポイントは、日本語と英語の「読み書き」を適切な時期にサポートすることです。以下年齢別にサポート方法を紹介します。

ハワイは子育てに適した場所

ハワイは世界の中でも文化融合が進んでいる場所です。子どもの通う学校にはアメリカ人だけでなく、日本人、中国人、韓国人、フォリピン人、ベトナム人、ネイティブハワイアン、ポリネシア人 など多くの国籍や文化を持つ生徒が通っています。でもそんな多様な環境の中でも子どもたちは分け隔てなく学び合っています。実はそれは、多民族国家であるアメリカでも珍しいことなのです。たとえば、ニューヨークでは街自体がチャイナタウン、コリアンタウン、イタリアタウン、ハーレム など人種や民族によってエリアが分かれていたりします。同じ ように学校内でもグループが分かれていたりするのですが、ハワイにはそれがないのです。人間や文化に上下優劣はない、誰もがお互いの違いを認めて、尊敬し合うという意識が強いのがハワイの特徴です。グローバル社会で活躍できる人材にとって最も必要な資質は、偏りのない 価値観を持つことです。だからハワイは子育てに適した場所と言えます。

子どもの学校適応を促すには

1)親も一緒に学ぶ

子どもにだけ英語を学ばせようとしてもうまくいきません。親も一緒に英語を学ぶという姿勢を見せることが大切です。子どもと一緒に宿題をして、英語の本を読み、英語のテレビを見る。親子で英語に触れることで子どものやる気が高まります。英語学校に通ったり、ローカルコミュニ ティーと関わりを持つと尚良いでしょう。

2)学区選びは慎重に
ハワイの公立学校は原則学区によって通学する学校が決まります。親の理想や都合だけで住む場所を決めるのでなく、子どもの学校の評判にも配慮しましょう。ハワイで子育てをするならば、住む場所は子どもの学校中心で決めるのが成功するポイントです。学校や学区については不動産業者やハワイ州教育省( DOE ) のウェブサイト を参考にしてください。

3)勉強以外の「強み」を持たせる
英語が話せない子どもにとってスポーツや音楽などの特技があることは「自信」を維持するために大切です。何らかの特技がある子は、特技を通じて友だちができ、英語に触れる機会が増え、その結果、英語習得を加速化できます。子どもの英語習得は現地校での勉強だけでなく、習い事を活用することがコツです。

0歳~6歳:母語の土台を育てる

両親が日本人の場合、6歳までに日本語の土台を強固に育ててください。理想は日本語の簡単な本やマンガが読めるレベルの読む力を身につけることです。教材や塾などを活用して、「日本語の読み書き」を現地の小学校入学までに教えてあげましょう。

英語については、現地のキンダーガーテンに上がる1年前から教え始めることが理想です。プリスクールや習い事を利用して生の英語に触れさせましょう。キンダー入園時に簡単な英会話力と文字の認知ができていれば、キンダーの勉強についていくことができます。

バイリンガル教育 ハワイ

7歳~12歳:学習英語力を育てる

小学生の子供に必要なものは、「学習英語力=英語の読み書き力」です。現地校の授業についていくには英語の本が読めて、英語で文章が書けなければなりません。この時期の子供には学習英語力のサポートを集中的に与えて下さい。学校の勉強で苦労する期間が長引くほど、子供は「自信」を失っていきます。早急に学習英語力をサポートしてください。

小学校時代は、日本語の学習意欲が低下する時期です。子供は日本語よりも、毎日学校で苦労している英語力を伸ばすことで精一杯なのです。でも日本語学習をやめてはいけません。毎日、少しで構いませんので、日本語の文字に触れる環境を作ってください。日本語のマンガ本や雑誌を読ませるだけでも十分です。

13歳~18歳:英語の教科学習をサポートする

ティーンエイジャーの子供には、「教科学習」をサポートしてください。中学、高校と学習内容が高度になるにつれ、教科学習の消化不良を起こすようになります。現地校の勉強を子供任せにしてはいけません。子供が苦労している教科については、家庭でもサポートを与えてください。

ティーンエイジャーの日本語学習は、「細く長く」です。海外では、日本語を使う機会が少ないですから、家庭で日本語の文字に触れる機会を多く与えてください。日本のポップカルチャーを紹介して「日本好き」にさせるのも効果的です。

家庭で気をつけること

英語が苦手という日本人父兄は、子供の英語力の発達や現地校適応を子供任せにする傾向があります。「現地校に通わせておけば何とかなるだろう」と考えるのは危険です。家庭でも子供とのコミュニケーションを密にして、英語力と現地校適応をモニターしましょう。満足な英語力が身につくまでは、子供は学校の勉強についていくことができません。この状態が長く続くと「自分は無理だ」と自信喪失しますので注意してください。

子供の現地校適応を促すには、両親が担任の先生とコミュニケーションをとることが必要です。アメリカの学校は先生によって指導内容に違いがありますから、直接尋ねなければ子供が何を勉強していて、何でつまずいているのか分からないことが多いのです。先生との関係が密になると、先生も積極的に協力してくれるようになり、家庭においても効果的なサポートを与えることが可能になります。

英語力に不安がある両親にとって先生と話をするのは勇気を要しますが、子供のためですからがんばって実行しましょう。最初はあいさつだけでも構いませんから先生に顔を覚えてもらいましょう。学校ボランティアに参加するのも先生との関係を強化するチャンスです。先生との関係が深まるほど、子供への適切な指導が期待できるようになり、英語力発達と現地校適応がスムーズになります。

【記事提供・監修】
船津徹

TLC for Kids
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