ハワイ州のイゲ知事は、2020年4月17日にに発令し、1年以上にわたって延長してきた家賃滞納者に対する立ち退き命令禁止を2021年8月6日を以て終了することを発表した。
パンデミック直後には、観光業依存度の高いハワイ経済は一気に失速し、一時は20%以上の失業率となったため、家賃を払えなくなる借り手が急増。家賃未払いによる立ち退き命令を禁止し、借り手を住居を失うことから保護する代わり、家主に対しては連邦のCARES Act救済策などの家賃支援給付金を原資に、オアフ島では月2000ドルまでの補償金が家主に直接支払われるなど、家主・借り手双方に支援策を講じてきた。
ハワイ経済が復活しつつある中、この立ち退き命令の禁止を終了する。とはいえ、パンデミックが本格化する直前の2019年3月には2.1%と過去最低だった失業率は、2021年6月現在でも7.7%と改善しつつあるものの、以前高い水準となっている。
一方で、失業保険の特別割増金などの手厚い支援により、復職や休職活動をせずに失業状態を選んでいる人もいるとされていた。この割増金も2021年9月には終了し、パンデミック期間は不問だった休職活動情報報告も2021年5月から復活させるなど、政府は様々な行政ルールをパンデミック前の状態に戻していこうとしている。
立ち退き命令を受け取った借り手に対しては各地域の調停センターが支援を行う。調停センターの予測では、州内で現在約10000世帯が家賃を滞納しており、立ち退き命令禁止令が終了すれば1500-2000世帯が立ち退き命令を受け取ることになるとしている。
借り手側には次のような対応を政府が呼び掛けている。
・立ち退き命令を受け取ったら調停センターに連絡し、サポートを申請する。
・法的支援を受け、自分の権利を確認する。
調停センター情報
オアフ島: Mediation Center of the Pacific, mediatehawaii.org
その他の詳しい情報
Legal Aid Society of Hawaii: legalaidhawaii.org/i-cant-pay-my-rent-mortgage.html
Mediation Center of the Pacific: mediatehawaii.org/landlordtenant
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