FRB(米連邦準備理事会)は11月7日に金融政策を決める会合を開き、0.25%の利下げを決定したと発表した。インフレ率の低下傾向が続いていることを踏まえ、政策金利を0.25%引き下げる。2024年9月に4年半ぶりに行われた0.5%の利下げに続き、2回連続の利下げで、これにより政策金利は4.5%から4.75%の幅となる。
パウエル議長は、利下げの背景として、インフレ率がこの2年で大幅に緩和し、目標である2%に大きく近づいたことを述べた。
その一方で、アメリカ大統領選で再選を果たしたトランプ前大統領が就任すれば、FRBのインフレ抑制策とは逆行する政策を実施する可能性が高い。トランプ氏が掲げる経済政策である輸入品に対して一律の追加関税(10%~20%、中国製品に対しては60%と言及)などが再びインフレを再燃させる可能性についても懸念されている。
トランプ氏はドル高・円安について「大惨事だ」とSNSに投稿するなど、アメリカ国内生産品の競争力を高めるためにFRBに利下げを求め、ドル安に誘導せよと口出しをしてきた。しかし、トランプ大統領勝利後、ドル高・円安に動き、トランプ政権で想定されるインフレ率の上昇や財政悪化は市場金利の上昇とドル高へつながるという見方が現状では優勢であることを示した。