ワイキキに2019年9月にオープンした超高級ホテル「エスパシオ ジュエルズ・オブ・ワイキキ」。ワイキキビーチの正面に見下ろす最高のロケーションを1泊5000ドルから、1フロア1室と贅沢に使い 、
各室には専用バトラーがおり、キッチンもついているので、
このエスパシオのメインダイニング「MUGEN無限」がオープンした。
ハワイにパシフィックリム料理を作り出したロイ・
店名からも名前からもお分かりいただけるように、和の食材や調理法を随所にとりいれた、和とフレンチのフュージョンキュイジーヌとなっている。
若きスターシェフの手掛けるクリエイティブな料理の数々は、
年内を予定しているグランドオープニングまで、一部工事が続くエリアがあるそうで、現在ソフトオープン中だ。今日はいち早くそのテイスティングメニューを体験するメディアイベ
このテイスティングメニュー、ポーションは小さめで、少食な方でも最後まで気持ちよくフィニッシュできる。コース料金は使う食材によって1
この日のコースから、ハイライトをご紹介していきたい。
まずはアミューズ。餅粉を使った小さなパンケーキの上に、バニラビーンのパンナコッタ、ササニアンキャビア。
甘さとしょっぱさ、パンケーキのもっちり感とプチっとしたキャビア、その間をつなぐパンナコッタのまろやかさ。それぞれの素材が口の中で溶ける時間差まで考えた、温度設定が繊細。コースの始まりに期待が高まる一品。
つづけての前菜には、レッドシークラブ。カニの身を柚子胡椒と軽いガーリックのアイオリソースで合え、枝豆のピュレソースで仕上げ。トップに置いた黒ゴマのチュイルはごくごく薄く軽く、これを崩しながら合わせていただく。
食材がフレッシュなだけに、食感の組合せが引き立つ。
どの一皿のなかにも、異なる温度や食感のリズムがあり、
その点、ハワイ育ちではあるが日系人のヤマグチシェフ。おじのロイ・ヤマグチの英才教育もあったに違いないが、日本人ならハッとさせられる彼の食感や温度へのこだわりを感じるたびに、嬉しさがこみ上げる。海を隔てたハワイに「分かってくれる人がいた感」が嬉しいのだ。和食との共通点もあれば、若い彼独自の発想の自由さもある。ヤマグチシェフの体験してきたであろう驚きを一緒に味わい、追体験することが楽しい、そんなコースとなっている。
コースに戻って、次は、ハワイ自慢の食材であるコナロブスターを合わせたタリアテッレ。コンテチーズのエスプーマソースに、海苔を散らし、海の風味を加えた。この日は、この上にさらに白トリュフのスライスを贅沢にもたっぷりとサーブされた。一見、海の幸、と思わせて、コンテとトリュフという山の幸も盛り込んだパスタとなった。
メインは、鹿児島A5牛、火の通し具合が最高。左の四角いのは付け合わせのスパイスの利いたひよこ豆のパニスと、奥にはさわやかさの残る根セロリのピュレ。一口ごとの肉の味わいに変化をつける。
デザートはバタースカッチ風味のポット・デ・クレーム。プディングのような、ういろうのような不思議な食感のデザートにはシャンテリークリームと、 カリカリのヘーゼルナッツのクランブル、マウイのキャラメルソースを合わせた。
ホテルがミニマム一泊5000ドルなのに対して、このテイスティングメニューの$120-150は、破格のバリューと言えるだろう。小さなオープンキッチンが客席から見えるのも楽しい。
ハワイで通いたい店がまた一つ増えた。エスパシオに泊まっていない方も、レストランでは歓迎なので、ぜひこの年末年始、ご予約をしてみては。