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2020年、E2ビザ申請の前に知っておくべき重要事項がズラリ!
剛先生による「よくある勘違い」6つ
剛先生によると、E2ビザを申請する方やスポンサー企業の方のなかに見受けられる「よくある勘違い」「先に知っておけばよかったと後悔されること」には、パターンがあるそうです。「もっと早く剛先生にご相談しておけばよかった!」というお声をいただくことも多いとのこと。アメリカのビザ取得は、みんなが何度も経験することではなく、時代によってもどんどん変わっていくものですので、”知り合いの話”もあまりあてになりません。ハワイへのM&A、事業投資によりE2ビザ申請を考えている方にとって役に立つ「勝率95%以上」の現役弁護士のお話しです。
さて、クライアントの皆さん、どんな勘違いが多いのでしょうか? 教えて、剛先生!
勘違いその1
"E2ビザはお金さえあれば取れる"
剛先生:
お金があっても、取れないケースもあります。
アメリカは、一時的にお金を持ってきてくれる人にビザを発行するのではありません。長期的にアメリカで事業を継続させ、雇用を生み、アメリカに貢献してくれる(またはくれそうな)会社の人間にビザ を発行してくれる傾向があります。 投資は必須ですが、 その上でさらに求められるものがあります。
勘違いその2
"まず、ハワイに会社を設立してから考えよう"
剛先生:
将来的に必要な会社形態をまず考えるのが先です!
ハワイでの会社設立時に、どういった会社形態にしておくべきか?だれの、どういった資本によって設立された会社なのか?など、将来を見据えた会社登記をしておくことは、E2ビザ申請に非常に重要になってきます。それによって、ビザの取れやすさがのちのち変わってきますので、E2ビザ取得を将来的に視野に入れている方は、会社設立時に弁護士にご相談いただくのが良いと思います。
勘違いその3
"ビザが取れ次第、開業準備をしよう"
剛先生:
考え方の順序が逆。ビザ審査官は「すでにある事業に対して、ビザを発行する必要性を検討」します。
E2ビザは「すでに事業が行われており、雇用も発生している既存ビジネス」のマネジメントに必要な人材として申請するほうが、発行される可能性が高いのです。まったく事業がスタートしていないアイディアレベルの新規事業や、店舗もなく従業員もいないという段階でのE2ビザ取得は難易度が高くなります。なので、E2ビザ申請者が面接に行くまでには、すでに店舗が開店している、 スタッフへの給与支払いが始まっているなどの事業の実態があるの が理想です(遅くても、新規事業の場合、面接時には、 短期間でもよいので現地雇用の給与明細を提出できるといいでしょ う)。
勘違いその4
"E2ビザは申請してすぐ取れる"
剛先生:
E2のみならず、ビザ申請には時間がかかるものと思ってください。コロナ騒動の影響で更に取得までの時間を要するようになっています。
ビザの申請は、揃える資料が非常に多くなります。E2ビザの場合、投資金の出どころや、申請者のマネジメント経験など、過去の履歴を問われる内容も多いので、申請書類を揃えるところだけでも、時間も労力もかかります。その上で、ビザ審査期間がかかってきます。これはこちらにはコントロールできない部分です。申請に当たっては、このケースならどのくらいの時間軸で取れそうなのか、その間の資金繰りは、など、シナリオを検討しておく必要があります。
さらに、コロナ騒動が起きてから、在日米国大使館・領事館における申請書類精査(E2ビザスポンサ ー企業登録の場合)、および面接において、 過度のバックログが発生しております。また面接においては、 在日米国大使館は、緊急事態を除いて、 未だに受け付けておりません。大阪市、福岡市、 札幌市の米国領事館ではビザ面接を再開しましたが、 これまでのキャンセルされてしまっていた面接を処理していたり、 面接予約がこれらの都市に集中してしまっているせいか、 面接予約がなかなか取れないような状況が続いています。 したがって、コロナ騒動のため、ビザ取得まで、 通常よりも大分お時間がかかってしまうような状況であります。
勘違いその5
"投資額が大きければ、その分、何人でもE2ビザが取れる"
剛先生:
E2ビザが取れる人数は、「投資額」でなく「事業規模」で決まります。
E2ビザの投資額をアドバイスする際に、法律では具体的な数字の規定はないですが、 あくまでも目安として、必要な投資額はミニマムで約20万ドルと お伝えすることもあります。では、$2ミリオン投資したとしたら、その分多くのE2ビザが取得できるのか?と言われればそれはNOです。あくまで基本的にはアメリカでの事業のマネジメントに必要な人材をアメリ カに送り込むために発行されるもの。2ミリオンでも、 例えばその中身が高額の内装コストであって、 雇用スタッフ数は少ない場合など、その限りではありません。 あくまで「投資総額」ではなく、「事業規模」=「売上規模・ 人数規模」、 主に現地雇用者をどのくらい抱えているかでビザの取得率・ 取得数が変わってくると考えて頂ければ分かりやすいかと思います 。この点は法律の規定はないですが、あくまでもざっくりな目安と しては、現地雇用スタッフが3-5名に対して、E2ビザマネージ ャー職として1名が必要と見なされる、 というバランスで考えております。
勘違いその6
”アメリカの事業立ち上げにかかった費用は全部、投資額に含められる”
剛先生:
何は入れられる、入れられない、という事例集に基づく線引きがあります。
投資する側からしたら、アメリカの事業立ち上げにかかった費用はすべて投資額の中に入れたいのが本音だと思いますが、そこは線引きがあります。例えば、家賃は1カ月分のみ、敷金、弁護士費用は特許や知財にかかわる部分は投資金額に含められるな ど、移民法専門書(Foreign Affairs Manual)に従ったほうがいいでしょう。
その際に困るのが、法人の支払いを個人のカードで建て替え払いしているなど、お金の出どころ・経路や資産がごっちゃになっているケース。法人としての投資分を明確に分けておくことはのちのち、申請書類を作成する際に重要になります。
また先日、大統領令により発表された、いくつかの非移民ビザ発行制限によるEビザへの影響についても伺いました。
剛先生:
2020年6月22日のトランプ大統領令によって、H1Bビザ、H2Bビザ, Lビザ, Jビザ(特定カテゴリー)の発行は、2020年度末まで停止され てしまったため(例外あり)、 これらのビザ申請を元々考えていた方は、E2ビザ申請に集中する ことが予想されます。よって、今後、E2ビザの審査は必要以上に厳しく なることもあり得るため、専門弁護士とよく相談して、 取得率を上げるためにも入念な準備をすることがより一層求められ る時代が到来したと感じております。
いかがでしたか?
新型コロナウイルス流行の影響も出ていますが、それ以外にも知らなければ、あとから落とし穴になってしまいそうな、勘違いアレコレでした!
剛先生による、アメリカE2ビザ申請・最新情報で、あなたのハワイ移住への道が、スムーズに拓けますように!
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