ハワイ不動産歴30年超、カハラ在住のサチ・ブレーデンさんによる「ハワイの戸建て市場と高まるカハラエリア魅力」

更新日 2022.07.15

ハワイの日本人トップリアルターとして知られるサチ・ブレーデンさん。1989年よりハワイ不動産業界に入り、ご自身でも「サチハワイ総合不動産会社」を創業し。30年以上にわたってハワイ不動産を見続けてきたサチさんに聞く「ハワイの戸建て不動産市場と高まるカハラエリアの魅力」。

目次

 
サチ・ブレーデンさん(サチハワイ総合不動産会社創業者) 日本人不動産エージェントとしてトップに何度も輝いたサチ・ブレーデンさん。2003年にサチハワイ総合不動産会社を創業。 オアフ島エージェント販売額ランキング TOP100で個人第2位を獲得、その売上額は実に$96ミリオン、日本円にして約110億円にも上る。(Hawaii Business Magazine 2018年) 

歴史的背景を含めて振り返る、今のハワイ不動産マーケット

サチさん:
前回の記事では2022年のハワイ不動産の見通しについてお話ししました。 アメリカの不動産ローンの金利が今年に入り大幅に上がったこともあり、過熱気味だったマーケットがもとに戻りつつあるものの、依然としてハワイ不動産マーケットは上昇傾向にあります。


今日は、まず最初に過去30年以上このハワイ不動産マーケットを見て来た私が長いスパンで捉えたハワイ不動産について、その中でも戸建てマーケットの構造について振り返ってみたいと思います。

ホノルルの戸建て住宅不足は構造的なもの

コロナ後の不動産価格の上昇が話題になっていますが、実はその前からオアフ島の住居用の一軒家のニーズは、常に需要を満たすことができてないという状態がつづいていました。一軒家に住みたい人の需要は増えていたにもかかわらず、需要を満たすほどの戸建て住宅が建設されてこなかったためです。

これはそもそもオアフ島の狭い土地の希少性と変わらぬ人気により、土地の価格が高くなりすぎたことが最大の要因です。ほかにも建設区画(ゾーニング)規制が厳しく戸建てを建てられない土地が多いこと、建設の条件や用途制限(CCR)、建設許可の入手に時間がかかりすぎることなど、行政や建設に絡んだ高いハードルがハワイにはありすぎるのです。


よって開発可能なホノルル市内の土地には、一軒家もタウンハウスさえ建築されず、すべてがの最有効使用 (Highest and best use)の高層のコンドミニアムへとなって行きました。

受給バランスをさらに崩したパンデミックでの移住者


そこに、パンデミックによりアメリカ他州からの居住希望者、戸建て不動産を購入したいバイヤーが殺到しました。そもそも供給が間に合っていないのにさらに需要が急騰し、受給のアンバランスがさらに大きくなったわけです。住宅ローン貸付率が、記録的に下がってお金が借りやすくなったことが二重に輪をかけて”買い”の市場をエスカレートさせました。

「そもそも新しい戸建が建設されていない」「慢性的な戸建て不足」という下地があったホノルルに、この数年の低金利とコロナによって供給をはるかに上回るバイヤーが押し寄せ、入札合戦が起きた結果、ハワイ不動産価格を急激に押し上げた、というのがハワイ不動産マーケットの大きな流れです。


このように、直近のトレンドだけではなく、昔の知識から学び、そして将来を見すえた住宅投資を長い目でみることが肝心だと思います。

相対的に上がるカハラ地区の価値

サチさん:

上記のような構造と動きの中で、カハラ地区のように古くからあるホノルル市内の住宅地の価値は上がる一方です。

良質なコミュニティ、 昔ながらのお付き合いの残るカハラ

私もカハラに住んでいますが、 経営者やエグゼクティブのファミリーやご夫婦などが住民に多く、近隣の住民同士で声を掛け合い、昔ながらのお付き合いが残っています。これは高層コンドミニアムの暮らしではなかなかないことではないでしょうか。
 

また ビーチまですぐという立地で海が好きな方が多いのはもちろん、ソニーオープンが開催されるワイアラエカントリークラブや、アウトリガーカヌークラブなどに属している方も多く、アクティブで社交的な方が住んでいます。ライフスタイルの近い方たちと気軽にお付き合いができる暮らしやすさもポイントだと思います。

カハラ地区の価値を守るために、家や景観にも投資

そしてカハラ在住の皆さんは、カハラというエリアの価値を守るために、所有する家やお庭、また外観や植栽など、全体の景観のためにも投資を惜しまない方が多いです。

家を所有する、というだけではなく、やはり手を入れて大事にメンテナンスしながら暮らしておられる方が多いのもカハラの特徴だと思います。

最近のカハラ地区の不動産マーケット概況

サチさん:

現在のカハラマーケットはやはり物件数の不足が顕著な売り手市場が続いています。

カハラアベニューやブラックポイントなど一等地では3ミリオン以下の物件はほぼない

カハラの中の一等地に当たるカハラアベニュー沿いに近いエリアや、ブラックポイントには$3ミリオンを下回る不動産物件はなかなか出てこないと思っていた方がいいと思います。

私の目から見ると「この家のコンディションでこの価格?」と言いたくなるような不動産も、立地さえ良ければ強気な価格設定で売りに出されています。古い家が多いカハラですので、あまりメンテナンスがされていなかった家は、購入後に新オーナーが大規模リノベーションや建て替えをするというケースもあります。
 

コロナの間に上がった価格がそのままコロナ前に戻る、ということはないと思いますし、構造的なラグジュアリーな戸建てや別荘の不足は今後も続きます。

スコープを広げれば、手の届きやすい物件も

カハラの中でもメインストリートから少し離れるエリアになれば、$2ミリオン台の物件が出てくる可能性もあります。具体的にはプエオやマカイヴァと呼ばれるカハラ内の区画がそれにあたります。

またカハラに隣接したワイアラエイキやワイアラエヌイといった地域にスコープを広げて、カハラと同額でも、より広い物件やビューのよい物件を探すのも良いかもしれません。

「カハラ」という場所にはやはり世界に通じる知名度とブランド力があり、前述のオアフ島の戸建て物件の構造的な不足をベースに、その希少性から価値も上がり続けています。

価値が落ちないということは、売りたいと思ったときに売りやすい「安定かつ流動性の高いドル資産」とも言えるのです。 



 

ハワイ不動産、カハラエリアのご相談はサチ・ブレーデンさんまで

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