2022年12月のオアフ島の不動産は、戸建住宅、コンドミニアムとも引き続き販売数は振るわない一月であった。一方で80万ドル台と90万ドル台の戸建住宅の在庫が倍増。在庫が増加し、売り出し期間も長くなり、一気に買い手市場へと動いた一カ月となった。
ホノルルリアルター協会による2022年12月のマーケットレポート
ホノルルリアルター協会より発表された2022年12月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、不動産売買件数は前年同月比で大幅に減少し
【サマリー】
12月のハワイ不動産の販売数は、先月に引き続き前年同月比で大幅に減少。戸建住宅の販売数は202軒の前年同月比で46.6%減少。コンドミニアムの販売数は360軒で前年同月比で39.3%減少した。ただし前月比では戸建住宅が5.2%増、コンドミニアムが5.9%増とやや持ち直した結果となった。
中間価格に関しては戸建住宅が前年同月比で0.05%と微減、一方のコンドミニアムは前年同月比で3.6%上昇し50万ドル台に復活した。
- 戸建住宅の販売数は202軒、前年同月比で46.6%減
中間価格は前年同月比0.05%減で$1,049,500
平均価格は前年同月比1.7%増で$1,325,156
売出期間は先月よりも7日間長くなり25日間 - コンドミニアムの販売数は360軒、前年同月比で39.3%減
中間価格は前年同月比3.6%増で$502,500
平均価格は前年同月比4.6%減で$576,689
売出期間は先月よりも3日間長くなり21日間
2022年12月・オアフ島の戸建住宅マーケットの詳細
どの価格帯でも販売数が減った12月の戸建住宅マーケット。
最も売れた価格帯は、80万ドル台で29軒、次に売れた価格帯は90万ドル台で22軒であったが、どちらの価格帯でも前年同月比でほぼ半減した。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
80万ドル台 | 29軒 |
90万ドル台 | 22軒 |
70万ドル台 | 21軒 |
1ミリオン-1.1ミリオンドル | 19軒 |
1.1ミリオン-1.2ミリオンドル、1.2ミリオン-1.3ミリオンドル、2ミリオンドル-3ミリオンドル | 14軒 |
販売数や契約数が減ったため、相対的に市場にある戸建住宅の在庫は増えたが、全体数としてはコロナ禍以前の状態までにはまだ戻っていない。
12月に新しくリスティングされた(売り出しがはじまった)物件は前年同月比で 33.1%減であったが、一方で80万ドル台と90万ドル台の戸建住宅の在庫が前年同月比で225%と大幅に増加し、2021年12月にはわずか44件のリスティングだったのに対し、2022年12月では143件のリスティングがあった。これは1ミリオンドル以下の手頃な価格帯の戸建住宅を探している買い手には嬉しい傾向である。
戸建住宅マーケットの売り出しから販売されるまでの期間は25日間であり、先月の18日間よりも7日も遅くなった。これは前年同月比の約2倍の期間にあたる。ここからも取引の鈍化が伺える。
2022年12月・オアフ島のコンドミニアムマーケットの詳細
コンドミニアムのトレンドも戸建住宅とおなじく減少。コンドミニアムの販売数は360軒で前年同月比で39.3%減少した。ただ11月の販売数と比較すると5.9%増とやや持ち直した。また中間価格は$502,500であり、$480,000となった先月と比較して少々上昇した。
コンドミニアム市場でも全ての価格帯で販売数は減少した。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
50万ドル台 | 61軒 |
30万ドル台 | 59軒 |
40万ドル台 | 53軒 |
60万ドル台 | 46軒 |
20万ドル台 | 43軒 |
在庫に関して言えば、コンドミニアム市場では、主に手頃な価格や高額価格帯で在庫が最も大きく増加した。40万ドルから2ミリオンドル以下の価格帯の在庫は50%増加した。一方で新しくリスティングされた物件は前年同月比で29.6%減となった。
コンドミニアムマーケットの売り出しから販売されるまでの期間は21日間であり、先月の18日間よりも3日遅くなった。
2022年ハワイ不動産全体の振り返り
ここからは2022年全体の動きを振り返っていこう。
覚えている方も多いであろうが、ここ数年のハワイ不動産はコロナ禍にも関わらず非常に活況であった。歴史的な低金利と在庫の低下が重なり、買い手同士の競争も非常に激しく、売り手市場の期間が2020年から継続。2022年も初頭はこのトレンドが引き継がれ活気に満ちており、そのまま続くものと思われた。しかし年度の途中で金利が急速に急上昇したことで、販売数、契約数ともに大幅減少に転じ幕を閉じた。
【ホノルルリアルター協会による2022年の要点】
1)絶好調であった2022年第2四半期は、一戸建ての63%、コンドミニアムの44%が当初の希望価格より高く成約した。
2) 2022年5月には戸建住宅マーケットの中間価格が 115万3,500ドル、6 月にはコンドミニアムマーケットの中間価格が53万4,000 ドルとなり過去最高を更新した。
3) 住宅ローン金利は年間を通じて上昇を続け、10 月下旬には平均金利が7%台に達し、2022 年は6%台半ばで終了した。
4)第4四半期には、当初の提示価格を上回って販売された物件の割合が、戸建住宅で29%、コンドミニアムで25%低下した。
【サマリー】
- 戸建住宅の販売数は3474軒、前年比23.2%減
中間価格は前年比11.6%増で$1,105,000 - コンドミニアムの販売数は6353件軒、前年比で11.8%減
中間価格は前年比7.4%増で$510,000
戸建住宅の価格帯別の販売数は、130万ドルから1.6ミリオンドルまでの価格帯で11%増加した。一方で最も大きく減少したのは60万ドルから90万ドルまでの価格帯で、前年比で47%減少した。
コンドミニアムの価格帯別の販売数は、70万ドル以下の価格帯で前年比19%減少した一方で、70万ドル以上の価格帯は前年比15%急増した。
ホノルルリアルター協会会長のフラン・ヴィラルミア・カハワイ氏は、「2022年のオアフ島の不動産市場は好調にスタートしたが、金利の急上昇と在庫の変動が市場の動きを大きく変えた」と振り返り、現在の状況を「バイヤーは資金調達を含むさまざまなコストの上昇に直面しているが、(在庫が増えたことにより)より多くの選択肢から選ぶことができるようになっており、競争はそれほど激しくない」と説明している。
さて、2023年のハワイ不動産はどのように動くのであろうか。マーケットの動きからますます目が離せない。
2022年11月の不動産レポートはこちらから>>
2022年10月の不動産レポートはこちらから>>
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