2022年10月のハワイ不動産は、戸建て・コンドミニアムともに販売件数のダウンが続き、ハワイ不動産の減速トレンドが続く結果となった。
ホノルルリアルター協会による2022年10月のマーケットレポート
ホノルルリアルター協会より発表された2022年10月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、9月に引き続き不動産売買件数は前年同月比で大幅に減少。
戸建住宅では、前年同月の381件から222件へと41.7%減の大幅な販売数となり、コンドミニアムも前年同月の611件から435件へと28.8%減の販売数であった。
一方で中間価格は前年同月比で、戸建て・コンドミニアム、ともに上昇した。
2021年10月にはジャスト$1,000,000だった戸建ての中間価格は2022年10月は$1,050,000と5%アップ。またコンドミニアムは昨年のジャスト$500,000から同$520,000へと4%上昇。
ボリュームゾーンとなる中価格ゾーンの販売件数が減少する中、高価格帯は底堅く売れたため、中間価格は逆に上昇に動いた。
【サマリー】
- 戸建住宅の販売数は222軒、前年同月比で41.7%減少
中間価格は前年同月比5%増で$1,050,000
平均価格は前年同月比6.8%減で$1,243,960
売出期間は先月よりも1日長くなり19日間 - コンドミニアムの販売数は435軒、前年同月比で28.8%減少
中間価格は前年同月比4%増で$520,000
平均価格は前年同月比16.2%増で$$676,988
売出期間は先月よりも5日長くなり19日間
また特筆すべきポイントとして、買い手が売出し価格より下のオファーから交渉をする余地が増えてきたことだ。
10月の販売された戸建て物件の50%が、売り主側の希望価格以上の金額を受け取り、残りの50%は当初の希望価格を下回る金額での成約となった。2021年10月に一戸建て住宅の75%が希望価格以上で販売されていた。
過去3年のハワイ不動産マーケット全体を振り返り
上記のように、2022年10月は昨年同月比でみて大きく販売件数が減少した月となった。ここで過去3年のチャートからトレンドを見てみる。
こちらが2019年10月から今月まで、過去3年分の販売件数の推移。(下のグリーンのラインが戸建て、上の黄色のラインがコンドミニアム。)
2020年3月、コロナ直撃を受けて落ち込んだ販売件数は、2021年6月にピークとなり戸建て451件、コンド730件という記録をつけた。その後、2022年春に再び盛り返すが、2022年6月以降、持続的な下落傾向が顕著になっている。
これはアメリカの金利の上昇と連動しており、実需・投資ともに歴史的な低金利によるローンで活発に売買されていた不動産が、金利上昇によるローンでの購入控えによりスローダウンした形となっている。
こちらは2019年10月から過去3年分の中間価格チャート。
中間価格については、戸建てが2022年5月の$1,153,500、コンドミニアムの中間価格の2022年6月の$534,000が過去3年間でのピークとなっている。
ただし、2022年10月統計を見ても物件販売数の大幅な下落を見せたにもかかわらず、相変わらず戸建てで100万ドル、コンドミニアムで50万ドル以上を維持しており、そうそう簡単に値崩れしないハワイ不動産の根強さを物語っている。
こちらは2019年10月から過去3年分の平均売出期間価格のチャート。
コロナ初期には不動産売買のショーイングなどの活動で一時的に売出し期間が伸びたが、その後は戸建てはマーケットに出すと8~9日以下で売れてしまう、コンドミニアムも10-15日間程度で売れてしまう期間が続いた。
それが2022年5月から少しずつ長期化し、今月ちょうど、戸建て・コンドミニアムの平均売出し期間が19日で並んだ形となる。