2023年4月のオアフ島のハワイ不動産は、金利上昇とインフレの影響を受け、戸建住宅とコンドミニアムの販売数がそれぞれ前年同月比で43.0％減、37.5％減となり、ハワイ不動産の勢いは緩やかだった。また、リスティングから販売されるまでの売り出し期間が先月よりも短くなったことに、回復の兆しも感じられた。

ホノルルリアルター協会による2023年4月のマーケットレポート  

ホノルルリアルター協会より発表された2023年4月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建、コンドミニアムともにセールスが前年同月比で減少し、また回復基調にあった先月よりも減少したことから、引き続き販売不振は続いていることが明らかになった。

ただし回復の兆しもあり、リスティングから販売されるまでの売り出し期間が、戸建住宅は先月よりも12日短くなり24日間、コンドミニアムは先月よりも4日短くなり20日間となった。

【サマリー】

低迷の続くハワイ不動産。先月は前月比でセールスが増加し、またコンドミニアムの中間価格が新記録になるなど回復傾向が見られたが、2023年4月は小幅な下落が見られた。戸建住宅の中間価格が前年同月比9.5％減で$999,995と１ミリオンドルを割り込み、また先月新記録を達成したコンドミニアムの中間価格も前月比で6.7%減で$500,000となった。

• 戸建住宅の販売数は208軒、前年同月比で43.0%減少
  中間価格は前年同月比9.5％減で$999,995
  平均価格は前年同月比12.9%減で$1,223,383
  売出期間は先月よりも12日短くなり24日間
• コンドミニアムの販売数は420軒、前年同月比で37.5％減少
  中間価格は前年同月比2%減で$500,000
  平均価格は前年同月比1.5%減で$603,795
  売出期間は先月よりも４日短くなり20日間

2023年4月・オアフ島の戸建住宅マーケットの詳細

4月の戸建住宅マーケットの特徴としては、やはり中間価格が１ミリオンドルを割ったこと。この原因は、売れた価格帯が低下したこと。
80万ドル台から１ミリオンドル以下の戸建住宅のセールスが好調だったのは3月と変わらなかったが、２ミロンドル以上の高額価格帯の戸建住宅の販売数が大幅に減少し、昨年同月比で63％減となったことが中間価格に響いた。

【売れた価格帯】

戸建住宅の販売数の約41％がリスティング価格で販売された。一方売り手がリスティングで提示した価格を上回って販売されたのは1年前の63％に対し25％にとどまっており、ここにも、競争の低下が見られた。

2023年4月・オアフ島のコンドミニアムマーケットの詳細

4月のコンドミアムマーケットは、落ち着いた様相であまり大きな変化は見られなかった。
昨年の4月と比較すると全ての価格帯で販売件数が減少したが、30万ドル台のコンドミニアムが最も多く販売され、全体の18.3%を占めた。中間価格も低下したが、昨年同月比で２％減、前月比で6.7%減とわずかな動きに終始した。

【売れた価格帯】

コンドミニアムの全販売数のうち、リスティング価格の44%が希望価格で落札された。ただし前年同月では65%が希望価格以上で落札されていた。また、リスティングで提示した価格を上回って販売されたのは、前年の44%に対し約22%にとどまった。戸建住宅マーケットと同じく、引き続きコンドミニアムマーケットも競争の低下が見られた。

ハワイ不動産の有効な在庫はオアフ島西側で増加
金利の上昇とインフレの影響でハワイ不動産は停滞気味

4月の在庫の状況は、戸建住宅、コンドミニアムともに1年前よりも在庫があるものの、今年に入って新規在庫が伸び悩んでおり、月毎に減少している。ただ、戸建住宅市場に関していえば、オアフ島西側のエバプレイン地区やリーワード地区で前年比65.5％、85.7％増とそれぞれ大きく増加した。また、コンドミニアムに関しても、戸建住宅同じくオアフ島西側のワイパフやエバプレイン地区、ハワイカイで、在庫が前年比50%以上増加した。

4月のハワイ不動産の緩やかな動きを、ホノルルリアルター協会会長のフラン・ヴィラルミア・カハワイ氏は、「金利の急上昇とインフレ率の上昇を受け、市場は引き続き落ち着いています」とし、「過去2年間の熱狂的な不動産市場と比較すると、販売の勢いは鈍いですが、在庫の少なさから中央値は安定しています」と述べた。

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