ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年1月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
2023年1月と比較して、戸建住宅・コンドミニアムともに、販売件数が大きく上昇したという好調な滑り出しを見せた2024年の初月となった。
ホノルルリアルター協会による 2024年1月のマーケットレポートサマリー
2024年1月のマーケットは戸建てコンドミニアムともに戸建住宅の販売件数は22.7%増加し、コンドミニアムの販売は6.2%と大きく上昇した。通常、ホリデーシーズンにはスローダウンしてしまうアメリカの不動産売買マーケットだが、1月のクロージング件数がここまで多かったということはホリデーシーズンにも動きを止めなかったバイヤーやセラーが多かったことを示唆している。
- 戸建住宅の中間価格は前年同月比5.3%増で$1,021,016
- 戸建住宅の販売数は184軒、前年同月比で22.7%増
- 売出期間は先月よりも11日長くなり、29日間
- コンドミニアムの中間価格は前年同月比で1.5%増の$502,500
- コンドミニアムの販売数は292軒、前年同月比で6.2%増
- 売出期間は先月よりも3日長くなり、29日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格・販売件数
2024年1月の戸建住宅の中間価格は$1,021,016となり、2023年末からの1,050,000万ドルからは2.8%の下落となった。前年同月比からは5.3%の増加となり比較的安定した金額の年明けとなった。(緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
2024年1月のコンドミニアムの中間価格は$502,500ドルとなり、2023年12月の中間価格$508,500からは1.2%の下落となった。昨年同月比では1.5%増となっている。
売出し期間
次に不動産物件の売り出し期間だが、2024年1月は戸建て・コンドミニアムともに29日と足並みを揃った形になった。2023年は、金利の影響を大きく受け2月に買い控えが起こったため、戸建てを中心に一時的に売り出し期間が大きく伸びる形となった。
しかし2024年は年内の利下げ予測が出ていることもあり、リファイナンスを視野に入れたバイヤーが、2024年1月の活発な動きを止めることなく、動くのではないだろうか? そうなると2022年のような10日以内で売れるようなことは過剰にしても、2023年の第1四半期のようにスローなマーケットから、徐々にバイヤーが活力を取り戻すマーケットへのターニングポイントとなる1月だったと言えるかもしれない。
価格帯別の販売件数
価格帯別に見ると戸建ては、全ての価格帯において昨年対比で売買件数が増加した。特に150万ドルから300万ドルまでの価格帯の売買の増加が著しい。
150万ドル から 200万ドルの価格帯では昨年対比で70%アップ、200万ドルから300万ドルの価格帯では6倍という大きな増加となった。
コンドミニアム市場においては中間価格に近い50万から60万ドル、また60万ドルから70万ドルゾーンの物件がそれぞれ17.6%、20.6%の増加を示した。
それよりも注目したいのが70万ドルから100万ドルまでの高額価格帯ゾーン。35%の売買件数増加を示し、さらに買件数も昨年同月の40件から、2024年1月には54件となった。
市場在庫・新規売出し物件数
通年、ホリデーシーズンにはマーケットの動きが鈍くなり、リスティングを一時的に停止する売主が増えるため、その反動的に1月の市場在庫は増える傾向にあるが今年はその動きが顕著だった。
こちらが2024年1月に新規の売出しとなった物件数の推移。
2022年12月から2023年1月の件数の動きも、同じように凹んだあとに跳ねる、というV字の動きとなっているが、今年はその振れ幅が大きい。「年が明けたところで、売りに出そう」「2024年は金利が下がり、買い手が増えそうだ」と思って待っていたセラー側の意図がよく見えるチャートとなっている。
アメリカにおいてはリファイナンスすることを前提で長期ローンを組む人も多いため、いきなり大きく下げることがなくても「いい物件があったら買っておこう」というローンバイヤーは多い。
また今年もワードビレッジ「ヴィクトリアプレイス」など人気の高かった新築コンドミニアムの竣工が続々と待ち構えている。新築をキャッシュで購入したい富裕層による売買もマーケットを後押ししそうだ。
過去のハワイ不動産マーケットレポートはこちら