ホノルルリアルター協会が発表したハワイ不動産マーケットの統計を元に2024年3月のハワイ不動産マーケットについてにレポートする。
3月のハワイ不動産マーケットは、戸建て住宅の販売は前年比2.5%減少し、コンドミニアムの販売は22.5%減少と、鈍い動きの春季スタートとなった。通常、不動産取引のピークとなる夏に向かって勢いが増す3月だが、期待外れな形となった。
市場在庫も積み上がってきており、利下げを待つローンバイヤーたちがいる一方で、キャッシュで買える富裕層の高額価格帯では戸建てとコンドミニアムで大きく差がでた一ヶ月となった。
ホノルルリアルター協会による 2024年3月のマーケットレポートサマリー
- 戸建住宅の中間価格は$1,100,000、前年同月比で1.5%増
- 戸建住宅の販売数は230件、前年同月比で2.5%減
- 売出期間は先月よりも1日長くなり、31日間
- コンドミニアムの中間価格は$500,000、前年同月比で6.7%減
- コンドミニアムの販売数は344件、前年同月比で22.5%減
- 売出期間は先月よりも10日短くなり、29日間
ここからそれぞれの主要な指標についてお伝えする。
中間価格・販売件数
(チャートは緑のラインが戸建て、黄色のラインがコンド。以下のチャートはすべて同じ)
戸建て住宅の中間価格は$1,100,000に上昇し、前年同月比で1.5%の微増となった。逆にコンドミニアムの中間価格は$500,000に下落し、昨年3月の記録的な価格$536,000から6.7%下落した。
売買件数は、戸建て、コンドミニアムそれぞれに減少を見せた。戸建ては2023年3月の236件から2024年3月には230件と2.5%の微減にとどまったが、大きく減ったのはコンドミニアム。昨年3月の444件から、2024年3月には344件と、実に22.5%減という大きな落ち込みを記録した。
価格帯別の販売件数
価格帯により大きな売買件数の増減がみられた戸建てマーケット。$90万~$100未満の価格帯で28.1%減をマークした一方で、$150万~200万未満の価格帯は24%増加した。このあたりにローンバイヤーとキャッシュバイヤーの購買力の差が現れるラインとなっているようだ。
コンドミニアムの販売は、ほぼすべての価格帯で大きな売買件数の低下が見られたが、特に顕著だったのは$100万~200万以上の価格帯の高額コンドミニアム。特に$150万~200万ドルの価格帯では53%以上の件数ダウンが見られ、上で紹介した戸建ての同価格帯が24%増だったことと好対照となった。「同じ価格を出して買えるのなら、戸建てを買いたい」というローカルの”戸建て信仰”の強さだろうか。
売出し期間
売買が成立するまでの売出し期間の中間値は、戸建てで30日になり、先月よりは1日長くなった。
一方のコンドミニアムは先月の39日よりも一気に10日も短くなり、29日間となった。1月、2月、3月と29日、39日、29日という激しい動きが続いている。
こちらは過去3年分の2021年3月からの3年分のチャートになるが、
2021年は「リスティングに出せば10日前後で売れる」という売り手市場。そして2022年にかけてマーケットの加熱が収まりつつ売買日数が延びていき、2023年3月には戸建ての売り出し期間(緑の線)が47日を記録した。
そこからの一年は、上がったり下がったりが続きながらも全体としては売り出し期間が延びつつある。
市場在庫・新規売出し物件数
市場在庫は戸建てで581件となり、前年同月比で7.4%増加。同様にコンドミニアムは1493件と29.6%増加した。両方をあわせて2074件と、過去3年で初の2000件超えとなった。
また新規売り出し物件数は戸建てで291件、コンドミニアムで647件となり、戸建ての新規売り出し件数が
2024年の第一四半期が終了したわけだが、3月の結果だけを見ると鈍いものの、四半期トータルでは戸建て住宅で売買総額が昨年同期比で6.1%の成長、コンドミニアムでは同様の比較で7.1%減少
第一四半期の中間価格は、戸建て住宅で$1,070,000、コンドミニアムで$505,000となり、それぞれ前年同期比で4.4%、1.0%の増加となっている。
全体でも”戸建て強し”という印象の第1四半期となった。