2019年5月24日、ダニエル・K・イノウエ空港に大きな話題を呼ぶオープニングが二つ重なる。
一つが、ハワイの守り神である海亀(ホヌ)に特別塗装を施したANAのエアバスA380「フライング・ホヌ」による成田ーホノルル便の就航。
もう一つがダニエル・K・イノウエ空港で最大となるANAのラウンジのオープンだ。
連載第2回目は、一足先に行われたラウンジのオープニングレセプションの様子とメディアに公開されたテストフライトでホノルルに着陸したフライングホヌの機内の様子をお届けする。
ANAラウンジ・オープニングレセプション
ラウンジのオープニングレセプションは、カフ(神官)によるハワイアンスタイルのブレッシングからスタート。
来賓にはハワイ州知事のデビッド・イゲ氏や、在ホノルル総領事の伊藤康一氏、またANA CEマネジメント室 商品企画部部長の原雄三氏、ANA ホノルル支店長の柴田洋氏などが揃い、セレモニーの幕を開けた。
イゲ知事からは、関係者の実現までの多大な努力への感謝と、フライングホヌ就航よるハワイへの大きな経済効果と、双方の住民の交流深まることへの期待が述べられた。
新ANAラウンジを拝見!
ブレッシングのあとはいよいよ新ANAラウンジの中へ。
今回、新設されたラウンジはホノルル空港の中でも最大規模のもので、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミーの搭乗者が利用できるANAラウンジ(300席)とファーストクラスとダイヤモンドメンバーだけが利用できるANAスイートラウンジ(70席)の2ラウンジ構成。日本の「おもてなし」とハワイアンホスピタリティ「ホオキパ」がテーマとなっている。
ANAラウンジ
まずはANAラウンジから見ていこう。
ラウンジ内には、ビーチ、波や魚などハワイの自然をテーマとしたインテリア要素をふんだんに取り込んでいる。その中でも、最もアイコニックなのがこの大きな木「MILOTREE」だ。ビジネスライクで機能的な印象になりがちな他の空港ラウンジと一線を画し、ラウンジ内にも窓の外にもハワイらしい自然が広がり、ハワイに別れを告げる搭乗までのひとときを楽しめる。ANAが4年をかけて作り出した、特別なデスティネーション・ハワイへのラブレターのようなラウンジだ。
またラウンジ内には、潮溜まりをイメージした「ファミリーエリア」もあり、家族でも安心してくつろげる空間が広がっている。
そしてやはりANAラウンジといえば、美味しいフードの数々。ベジタブルカレー、豚しょうが焼きやゆかりのおにぎりなど出発前にほっとする日本の味や、ポキなどハワイの味覚も揃っている。
ANAスイートラウンジ
そして次はファーストクラスの搭乗者とANAダイヤモンドメンバーが利用できるANAスイートラウンジ。70席のみで席間にスペースを大きく設けている。こちらはより高級感のあるインテリアでまとめられており、落ち着きのある雰囲気が空の旅への期待度を上げてくれる。
ANAラウンジ同様のビュッフェメニューに加え、うどんやお茶づけなどのアラカルトメニューもそろう。ワインなどのアルコール類のグレードもアップ、デザートなども充実しており、上質な時間を過ごせる。
ラウンジから「FLYING HONU」のアッパーデッキに直接搭乗
さて、今回新設されたANAラウンジ。注目すべき点はもう一つある。2階建の大型機であるフライングホヌのアッパーデッキへ、3階にあるラウンジから直接搭乗できることだ。
機内の2階部分ががファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミーのあるアッパーデッキ、1階部分がエコノミークラス、と分かれている。搭乗方法もユニークな2階層同時の搭乗式となっている。
つまりファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミーの搭乗者は、エコノミークラスの大量の乗客とは会うことなく、このラウンジから直接搭乗できるのだ。
さて、テストフライトでホノルルへやってきたフライングホヌが到着。
先ほどお伝えした上下2階層に搭乗口が取り付けられているのがお分かりいただけるだろうか?
いよいよ話題の飛行機の中へ!!
いよいよフライングホヌの中へ
普通、飛行機に乗った瞬間、きゅっと狭い空間に押し込められる感じがするものだが、さすがA380、乗り込んだ瞬間、その機体の大きさを体感した。頭上スペースも大きく、機体の壁も外に丸く膨らんでいる分、窓際席でもひじ掛けの外にまたゆとりがある。
また長く伸びる廊下の虹色のライティングは、時間によって照明を変えるなど、機内に踏み入れた瞬間から、サプライズを届けてくれる。
ANAホノルル路線初のファーストクラス
まずはANAホノルル路線で初となるファーストクラスから実見。8席しかないファーストクラスは、プライバシーを重視したスイートスタイルで、ディバイダー(仕切り)やドアで個室を作ることができるのが特徴である。二人でフライトの場合、ディバイダーを取ることもできる、
就寝時にはフルフラットになるシートと、その周りにはジャケットや小物を収納できるスペースも確保されている。32インチのモニターも付いており、贅沢な空の旅を満喫できる作りになっている。なお、ファーストクラスはエンジンから最も遠い位置に配置されており、機内でもっとも静かなエリアを確保。アメニティはグローブトロッターとのコラボでこちらも話題だ。
自由な時間を過ごせるビジネスクラス
ファーストクラスの先にあるのが56席あるビジネスクラス。
今回ANA初の試みとして、ビジネスクラスにペアシート配列が加わった。セパレート型(2席間にテーブル類を配置)と、ペアシート型(2席をくっつけて配置)を交互に配置。ビジネスのみならずハネムーナーなどカップル・ご夫婦需要の多いハワイ便ならではのレイアウトだ。仮に知らない者同士がペアシートで隣同士になってもディバイダー(仕切り)で仕切れるので心配は無用。
シートはもちろんフルフラットでファーストクラスと同じく32インチのモニターつき。どの席からでも直接通路に出ることができる、全席通路側スタイルで、自由な時間を空の上でも過ごせる。アメニティはカリフォルニアの人気セレクトショップ、フレッドシーガルとのコラボとなっている。
ゆったり快適なプレミアムエコノミー
2F部分のビジネスクラスのさらに奥にあるのが73席用意されているプレミアムエコノミー。足元だけでなく幅にも余裕をもたせてありワンランク上のフライトを堪能できる。
便利な工夫がいっぱい!エコノミークラス
最後にメインデッキである1階部分のエコノミークラスへ。383席もあるエコノミークラスにはこれまでになかった快適で便利で過ごすための工夫が施されている。
シートは、快適性を保ちながらスリム化を実現し、ゆったりとした広さと足元スペースを最大限に確保している。
肘掛をあげるとフルフラットになるシートや、フットレストをあげるとベッドのように使えるANAカウチも一部に搭載されており、快適性がアップ。
さらにキャビン最後部には多目的スペースがあり、着替えや授乳に利用できるので、小さな赤ちゃん連れの家族でも便利に空の旅を楽しむことができる。
画像参照:ANA公式サイトより
ANA COUCHiiに実際にシーツやコンフォーターなどを設置した場合にはこのような感じになり、寝転がったり、あぐらを組んだりと、自由な体制で過ごすことができる。
いかがだっただろうか。
ANAが4年をかけてプランニングしてきたフライングホヌと、ANAの新ラウンジ。
どちらもハワイや旅へのあこがれをかきたてる仕掛けに満ちており、ANAの極上ホスピタリティを随所に感じる仕上がりとなっている。
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