(父50代、母50代、子ども中学生╱2015年に移住╱私立校に通学)
日本の「お受験」に違和感を感じてハワイへの教育移住を決めました。
海外移住の困難さより 得られる価値の高さを重視しています。(伊藤さん 仮名)
【ハワイ移住前】
周囲の塾通いを見て違和感を覚え、移住を決意
ご主人と共に日本で会社経営をしていた伊藤さん(仮名)は、娘さんが小学校4年生の頃、ハワイ移住を決意した。「ちょうどお受験対策で塾に通わせる頃で周囲はどこの塾にするか、どこを受験するかの話題ばかり。受験を否定するわけではないですが、どこか違和感があって。海外の教育制度の中で鍛えられたほうが娘のためになると感じたのです。」
そこで思い浮かんだのが、毎年のように旅行で訪れていたハワイ。
「ハワイなら、嫌がる娘も“プールに入れるよ〟とだましだまし連れていけるかなと(笑)。それにやっぱり英語を身に付けたら将来的に有利です。何か娘に残してあげたいと考えた時、教育、それも英語が一番と思いました。日本で数時間英語教室に通っても身に付きませんし、インターナショナルスクー ルには日本人の両親では入学は困難ですからね。」
【ハワイ移住準備】
入学手続きとビザ取得で1年がかり
「ハワイの学校に関しては、知人から私立校のミッド・パシフィック・ インスティチュートを勧められていたので、そこに入学を決めていました。ただ、入学手続き途中で小学校にESL(非英語圏の生徒向けの英語クラス)がないことが判明。どうしようかと思っていたら、手続きを依頼していた留学カウンセラーさんがカトリック系の私立女子校を勧めてくださって。調べてみたら、伝統ある良い学校でしたので入学を決めました。」 ビザは子どもはF1ビザ、母親はBビザを取得。治安を考えてワイキキ周辺に自宅コンドミニアムを購入し、準備は整った。かかった期間は1年ほど。自宅購入を別にすれば、費用は200万円ほどだった。
「準備を終えた頃、夫が“本当に行くんだな〟とポロリ。やっぱり寂しくなったんでしょうね。」
【ハワイ移住後】
コスト高に驚きましたが、娘との時間は増えました。
ハワイに移住し、学校に入学。親子のコミュニケーションに変化が生じた。
「日本では勉強も見てあげられたけど、ハワイでの宿題は娘任せ。私はせっせと食事を用意して身の回りの世話に徹しました。娘は、自分から発信しないと聞いてくれない米国文化に馴染むのに時間がかかったようです。けれど、すぐ算数やアートの授業は楽しくなって、 思ったより慣れるのは早かった。 安心しました。日本より圧倒的に自炊中心なので親子の時間はとても増えました。ただ、スーパーに1回行って5千円、6千円が普通という生活はやっぱりコストの高さを感じます。」
クラブ活動にも積極的に参加し、学校を楽しんでいるという娘さん。 ただ、今後の予定を伺うと「F1ビザが5年で切れるので、その時に日本に帰るか、ハワイに残るか決めることになります。ある程度の英語は身に付きましたし、 高校進学を機に帰国する可能性が高いと思います。大学の教育費も高額ですしね。」とのこと。移住はしても住み続けるのは、なかなか大変なようだ。
<ハワイの学校紹介>
ミッド・パシフィック・インスティチュート
1908年創立。幼稚園から12年生まで約1500人が学ぶ私立校。早稲田実業学校との提携で日本とも交流。
2445 Ka'ala St.
☎808-973-5000
www.midpac.edu
ミッド・パシフィック・インスティチュート
1908年創立。幼稚園から12年生まで約1500人が学ぶ私立校。早稲田実業学校との提携で日本とも交流。
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