ハワイ生活にまつわる疑問、解決します。
今日は、保険専門家 山内 美央子さんにハワイの住宅保険加入に関する注意点についてお聞きしました。
【ご回答いただいた専門家】
日本生まれ。青山学院出身。ハワイ在住20年。日英両語にたけたバイリンガル。ハワイ州損害保険・生命保険ライセンスを保持する保険専門家。ジョン H.コナース社エージェント。
Q:ハワイで住宅保険の加入を検討する場合、どのような点に注意して選んだら良いですか?
A:保険エージェントと相談して、自分の味方になる保険にご加入を
ハワイで不動産を購入される方が保険について知っておくべき点は、住宅保険は不動産の使用目的によって種類が異なるということです。例えば、「自宅として住む場合」や、「ハワイ長期滞在中に住む場合」、「投資物件として購入するがオーナーは住まずに貸し出す場合」などで、保険をかけるべきポイントが細かく異なります。貸し出す場合でも、6ヶ月以上・未満、3ヶ月、1週間単位などで、必要な保険の種類は変わってきます。ハワイに不動産を購入される方は、不動産の使用目的を明確に決めてから保険を選ぶようにしてください。
担当リアルターや銀行のローン担当者を通して保険のエージェントに見積もりを依頼される場合は、必ず詳細を伝え、保険エージェントがきちんとご自身に必要な保険の見積もりが出せるよう、相談しましょう。もし、見合わない保険のまま契約してしまうと、最悪の場合、補償問題が起きても保険金ですべてをカバーできないという事態にいたる心配があります。たとえ面倒でも、ご自身の購入した不動産をどう使いたいのか、使用目的をエージェントに伝えることがとても重要なのです。
ハワイでコンドミニアム(以下、コンド)を購入される場合は、コンドミニアム保険に加入します。コンド自体もアソシエーションで建物本体の保険に加入していますが、その保険で補償されるのは、竣工時の状態を維持しているものに対してだけです。中古物件の場合は、床をフローリングに変えたり、バスルームをアップグレードしたりなど改装された箇所に関しては、アソシエーションの保険から除外されます。その場合は、その工事額を含めた保険をオーナー自身が購入する必要があります。それを怠ると、火災、あるいはコンドで一番多い水害時に、その損害を補える補償額の保険金が下りなくなり、せっかく保険を買われた意味がなくなります。きちんとそのユニットに見合った保険をご用意すること。それが万が一に備えるための最も大切なポイントです。
先に述べた通り、集合住宅で最も多いケースは水害です。ハワイではご自身のユニットで受けた災害へは一般的に、ご自身の保険が適応されます。クレームの承認は保険会社の判断によりますが、同じ水害でも下水の逆流などの場合は別扱いになるので、別途保障を加える必要があります。また、不動産購入に多額を使ったので、保険はできるだけ低く抑えたいという方も少なくありません。しかし保険金を保険会社からスムーズに受け取るためには、最低でも財産や、建物の80 %の補償範囲が必須となります。これは多くの方が見逃している点なのでご注意ください。
また、ユニットを貸し出される方は、テナント自身に自らの財産を護るレンターズ保険に加入してもらっておくと安心です。災難はいつ降りかかるかわかりません。保険での万全の準備をお勧めいたします。
シリーズ「専門家に聞きました」
※この記事は「ハワイに住む」マガジンVol.41(2020/4/15発行)の記事を元に作成しています。