【2021年4月】ハワイ不動産レポート:コンドミニアムの売上が絶好調!戸建住宅も引き続き堅調。気になる中間価格は若干下降

【2021年4月】ハワイ不動産レポート:コンドミニアムの売上が絶好調!戸建住宅も引き続き堅調。気になる中間価格は若干下降

更新日 2021.05.16

怒涛の快進撃ニュースが続くハワイ・オアフ島の不動産マーケット。2021年4月はコンドミニアムの売上が大きく伸長し、戸建住宅も引き続き好調のうちに幕を下ろした。ただしここ数ヶ月伸び続けた中間価格と平均価格は、戸建・コンドミニアム両方で若干下降という結果に!

 

ホノルル不動産協会による2021年4月のマーケットレポート

ホノルル不動産協会より発表された2021年4月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建住宅の売上は前年同月比51.2%増、コンドミニアムの売り上げは前年同月比88%増という驚きの数字が出されたが、この数字にはトリックが。
というのも、昨年同月は一回目のロックダウンの影響が大きく出た、新型コロナに関連した不動産不況の一番最初の月だったからだ。

  • 戸建住宅の販売数は前年同月比で51.2%増加
    中間価格は前年同月比14.7%増で$928000
    平均価格は前年同月比20.4%増で$1,194150。
    中間価格と平均価格で二桁台の上昇となった
     
  • コンドミニアムの販売数は前年同月比で88%増加
    中間価格は前年同月比足し引きゼロで$450,500、
    平均価格は前年同月比0.2%減で$520,192。
 

戸建マーケット詳細

2021年3月まで連続で新記録を樹立し続けていた戸建住宅の中間価格だが、4月の中間価格は3月よりも落とし$928.000となった。先月のレポートで「ハワイに住むネット」編集部は「このまま売り手市場が続けば今年度中に1ミリオンの壁を超えることもあるかもしれない」と予測したが、その反対の結果となっている。それでも$928.000という中間価格は、今年2月に新記録を樹立した中間価格$917.500を上回るものであり、さらに前年同月の中間価格からは$120,000も上昇した。

戸建住宅の販売数は375件で前年同月比で45.2%増加。最も売れた価格は$700,000~$999,999で167軒であった。

特筆すべきなのは、$1ミリオン以上の高額価格帯の物件の売上で、$1ミリオン~$1.9ミリオンの価格帯で118軒、2ミリオンドル以上~で40軒も売れるなど、この価格帯の売り上げは昨年の2倍以上となっている。アメリカ本土からのリッチな移住者たちが高額価格帯の売上を牽引し続けている。

なお、物件がリスティングされてから市場にある平均期間は9日間、そして販売された戸建住宅のうち58.9%がリスティング価格よりも上回って販売されており、熾烈な競争は続いていることが分かる。

 

コンドミニアムマーケット詳細

一方のコンドミニアムマーケットであるが、2月、3月の急伸を受ける形で引き続き上昇傾向にある。

販売数は先月の販売数を626件を上回る645件となり、前年同月比では88%上昇。
ただしこの数字は前出した通り、昨年4月はロックダウンの影響で買い控えが顕著に出た月だったことも大きい。それでも、コンドミニアムマーケットはコロナ以前以上の活気を取り戻している。

ただし、中間価格は戸建住宅で見られるような大幅な伸長は見られない。前年同月比プラスマイナス0、平均価格も前年同月比0.2%減となっている。

最も売れている価格帯は、$400,000から$499,999で128軒、次に売れた価格帯は$300,000から$399,999で122軒、その後に$500,000から$599,999で100軒、$600,000から$699,999で75軒、$200,000から$299,999で74軒と続いている。$1ミリオン~$1.9ミリオンの価格帯で31軒、$2ミリオン以上の価格帯で6軒と高価格帯の売れ行きも順調だが、概ね低価格のコンドミニアムの売上の方が好調である。

「ハワイに住むネット」編集部の考察では、昨年後半まで伸び悩んでいたコンドミニアムマーケットの状況を見た投資家がハワイのコンドミニアムへの投資を再開したこと、そしてそれ以上に昨年は新型コロナの影響で失業や一時帰休の煽りを受けていた中・低所得者層の買い控えが終わったことを意味するのではないだろうか。そのことは、オアフ島西側のエヴァプレーンとワイパフといった地域のコンドミニアムの売上がそれぞれ22.8%、57.9%も増加していることが裏打ちしている。

 

新規リスティング数は増加したものの、引き続き在庫不足

長年、慢性的な在庫不足を解消できずにいるハワイ。ホノルル不動産協会の4月の住宅市場レポートの中で、会長のシャノン・ヘブン氏が、「1年前、オアフ島の不動産市場はパンデミックが地域社会と経済に与える影響についての不確実性に直面し、売上とリスティング数が急激に減少しました」と述べている通り、昨年4月の一回目のロックダウンは不動産市場に大きな影響を与えた。人々のライフスタイルの変化に伴い、昨年後半から売上は盛り返したものの、在庫不足はより深刻なものになっている。

そんな中、今年4月の戸建住宅の新規リスティングは前年同月比で58.3%増、コンドミニアムの新規リスティングは前年同月比で60.5%増と数字上は増やしたものの、実際の在庫数は、戸建住宅で前年比35.3%減少、コンドミニアムで前年比17.6%減少と、在庫不足に拍車がかかっている。

シャノン・ヘブン氏は、「オアフ島の不動産市場では、持続的な需要と在庫不足が慢性化しており、それが歴史的な低金利と組み合わさって、今日の市場で見られる、非常にペースの早い熾烈な競走環境が生まれています」と述べている。
さらに「新しい物件がリスティングされると、業界ではすぐに話題になっています。買い手の高い需要に応えるためにも、引き続きリアルター相互にネットワークを構築し、買い手が住宅所有の目標を実現するのに役立つ新しいリスティングと在庫の確保に努めます」と協会全体の方針を述べている。

 

編集部が予測する5月のマーケット:戸建住宅は更に高く、コンドミニアムは低価格帯の売上が伸びる!?

新型コロナウイルスのための1回目のロックダウンから一年。2021年4月の不動産レポートは1年前の状況を思い出すのに良い機会となった。前代未聞の出来事に、一時的に売り手が売出し物件を市場から取り下げたり、全ての価格帯で買い控えが起こったりと、その不透明な先行きは多くの人に不安を与えた。
その後、2020年後半からは、記録的な低金利に加え、新型コロナウイルスの影響によるライフスタイルの変化により、主にメインランドからの富裕層を中心とする戸建住宅の需要の異様な高まりが中間価格や平均価格を押し上げ、在庫不足を加速させた。この傾向は今後しばらくは続くだろうと編集部では予測している。

一方で、コンドミニアムの販売数がここ数ヶ月で飛躍的に戻ったのは喜ばしいことである。更に注目したいのは、2021年4月の中間価格が前年同月比で全く変化がなかったことである。これは、先述した通り、新型コロナの影響で失業や一時帰休の煽りを受けていたローカルの中・低所得者層の買い控えが終わりつつあるのではないだろうか。ワクチン接種も進み日常を取り戻しつつある現在、ローカルの中・低所得者が、記録的な低金利を利用し、新規の住宅ローンを組んだり、住宅ローンを見直し始めたとしても不思議ではない。編集部では、5月もこの傾向は続き、30万ドル台や40万ドル台といった手頃な価格のコンドミニアムの売上が伸びるのではないかと予測している。

 

2021年3月の不動産レポートはこちらから>>

2021年2月の不動産レポートはこちらから>>

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