ニューノーマル下でも快進撃が続くハワイ・オアフ島の不動産マーケット。
次々に景気の良いニュースが飛び込んできた2021年3月も、戸建住宅の中間価格が前年同月比で17.3%、前月比で3.5%上昇し、3か月連続で新記録を打ち立てた。またコンドミニアムの売上も前年同月比で52.7%も上昇し、不動産マーケットの更なる盛り上がりを見せた一月となった。
ホノルル不動産協会による2021年3月のマーケットレポート
ホノルル不動産協会より発表された2021年3月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、戸建・コンドミニアム共に売上は共に19.1%増、52.7%増と二桁での上昇を見せた。戸建住宅の売上数は361件、コンドミニアムの売上数は626件で、2020年3月の売上数の3倍に当たる数字である。
また特筆すべきは、戸建住宅の中間価格は前年同月比17.3%の95万ドルで過去最高をマーク。3か月連続で新記録を打ち立てた。
中間価格は前年同月比17.3%増で$950,000で新記録を樹立 、
平均価格は前年同月比26.2%%増で$1,226,827、
先月に続き中間価格と平均価格で二桁台の上昇となった。
・コンドミニアムの販売数は前年同月比で52.7%増加と先月に引き続き上昇!
中間価格は前年同月比3.7%増で$451,000、
平均価格は前年同月比0.3%増で$530,257となった。
戸建住宅マーケット詳細
2021年3月の戸建住宅マーケットで大きな話題となったのが、3ヶ月連続で上昇した中間価格である。先月90万ドル台の大台に乗った中間価格だが、3月はさらに2月よりもさらにで3.5%上昇し$950,000となった。このまま売り手市場が続けば今年度中に1ミリオンの壁を超えることもあるかもしれない。
前年同月の中間価格が$810,000であったことを考えると、一年で$140,000も上昇したことになり、これは驚くべき数字である。
一方の平均価格は$1,226,827。1月が$1,050,263、2月が$1,172,804であったことと照合すると、平均価格も急上昇していることが分かる。ライフスタイルの変化に伴い、アメリカ本土からのリッチな移住者たちが高額価格帯を買い続けていること、そして在庫の低下に伴う競争の激化が顕著に現れた結果と言えよう。
なお、最も売れた価格帯は$800,000から$899,999で69戸、次に売れた価格帯は$700,000から$799,999で51戸であったが、特筆すべきは2ミリオンドル以上の販売数が41戸にも達したことであろう。
コンドミニアムマーケット詳細
2020年は低迷が続いたコンドミニアムマーケットも今年に入ってから大きく販売数を取り戻してきており、3月は戸建住宅マーケットの堅調さに引っ張られる形で、更なる急伸が見られた。
販売数は626件で前年同月比で52.1%増加と急上昇。
中間価格は$451,000で前年同月比で3.7%上昇、平均価格は$530,257でで0.3%上昇と上昇率はわずかであり、前年とほぼ同じ価格を保っている点が戸建住宅マーケットとの大きな違いである。
なお、最も売れた価格帯は$300,000から$399,999で119戸、次に売れた価格帯は$400,000から$499,999で109戸、その次に$500,000から$599,999が108戸と、30万ドルから60万ドルの間のコンドミニアム物件が最も活発に取引された。
1ミリオンドル以上の物件では33戸、2ミリオンドル以上の物件では7戸と高額価格帯のコンドミニアム物件が売れたことは注目すべきである。この中には16ミリオンドルで売却されたワード地区の最高級コンドミニアム「ワイエア」のグランドコンドミニアムも含まれている。
リスティング数増加にも関わらず競争は激化の一途、売り手には今が好機
昨年来、在庫不足が続いているハワイ不動産。
3月の新規リスティング数が戸建住宅が前年同月比12.6%増加、コンドミニアムが前年同月比17.2%増加したにも関わらず、売れ行きのほうが早いため、全体の市場在庫数は昨年の状況と比べて少ないという状況になっている。
戸建住宅の在庫数は752戸で前年同月比38.7%も減少、コンドミニアムの在庫数は1881戸でこちらも前年同月比で17.3%減少と、戸建、コンドミニアム共に慢性的な在庫不足に更なる拍車がかかっている。
ホノルル不動産協会会長のシャノン・ヘブン氏は、
「需要が在庫数をはるかに超えている今は売り手にとってはまさに好機。特に戸建住宅を手放すことを考えている方は不動産エージェントと相談してリスティングして欲しい」と述べている。
一方で、戸建住宅がリスティングされてから市場にあった期間は平均9日間と先月に引き続き最短記録を保持したままだ。またコンドミニアムも市場にある平均期間は14日間となっており先月の18日よりも4日も短くなっている。ヘブン氏はこのことに関して、あるインタビューで
「非常に早いサイクルで在庫は動いているので、自宅を市場にリスティングする時は次の住まいを確保してからにしてください」とアドバイスしている。
なお、リスティング価格を上回って取引された件数は戸建、コンドミニアム共に昨年よりも3倍も多くなっており、需要の高さと競争の激化を明確に示している。
2021年の第一四半期は絶好調。日本を含む海外のバイヤーはいつ戻るのか?
3月が終了し、2021年の第一四半期を振り替えてみると、戸建住宅とコンドミニアムのセールス全体がそれぞれ11.9%増と32.5%増と甚だ好調であったと言える。これまでと異なるのは、戸建住宅の価格帯で80万ドル未満で販売された物件の売上高が36.1%減少した一方で、1.5ミリオンドル以上の高価格帯の売り上げが113%と劇的に増加した点である。コンドミニアムに関しては、全ての価格帯で取引が活発に行われており、成長が続くことが予測されている。
それでは4月のハワイ不動産はどうなるのだろうか。3月も2月に引き続き取引が3月中に成立せずペンディングになっているケースが戸建住宅で679件、コンドミニアムで981件もあることを考えると、4月のハワイ不動産はさらに大きく成長することが予測される。
ところで、現在のバイヤーの属性であるが、アメリカ本土からの移住者や別荘、投資目的の購入が大多数であるものの、タイトルギャランティ社が発表によると、ロックダウン中にも関わらず多くの海外バイヤーがハワイ不動産を購入していることが分かっている。その中で最も多いのがやはり日本からのバイヤーで、2020年パンデミック下においても$130ミリオン、130件もの購入が行われた。
また「ハワイに住む編集部」独自の調査では、アメリカ本土で暮らしていた日本人がハワイへ住み替えを希望する事例が増えていることも分かっている。
ハワイでは新型コロナワクチンの摂取は順調に進んでいるが、同じく日本でもワクチン接種が進めば、夏頃には日本人のバイヤーもハワイ現地でオープンハウスなどに参加する機会も増えて来るのではないだろうか。
ローカル、アメリカ本土からのバイヤー、そこに日本を含む海外のバイヤーが戻れば、ハワイ不動産のますますの競争の激化は避けられない。第二四半期の動きからも目が話せなくなりそうだ。
2021年2月の不動産レポートはこちらから>>
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