田中正明さん(セントラル パシフィック バンクのアドバイザー)にインタビュー 「日本人にとってドル資産のメリット・賢い運用法とは」

更新日 2023.08.23

今日はセントラル パシフィック バンク(CPB)のアドバイザーでおられる田中正明さんに日本人にとってのドル資産のメリットや、この数年で想定される経済の動きなどを伺った。

田中正明さん プロフィール
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ元代表取締役副社長。1977年に株式会社三菱銀行に入行して以来、ユニオン・バンク頭取兼CEO、株式会社三菱UFJ銀行専務執行役員米州総代表などを歴任したほか、2011年から2015年まで三菱UFJモルガン・スタンレー取締役。「金融審議会 金融制度スタディ・グループ」等複数の政府系会議メンバー。2017年2月より2021年3月まで金融庁参与。2018年9月より12月まで産業革新投資機構代表取締役社長。2019年3月に日本ペイントホールディングス株式会社代表取締役会長、2020年1月に同社代表取締役会長兼社長CEO、3月より取締役会長代表執行役社長兼CEOに就任。2021年4月より6月まで顧問を務める。2013年より米日カウンシル(US-Japan Council)評議員会副会長。マネーフォワード社外取締役。Central Pacific Bank、コーチ・エィ、Solaris Managementその他アドバイザー。2021年10月、東京大学大学院経済学研究科長兼経済学部長アドバイザー就任。

国際派バンカー・実業家である田中さんの
アメリカ、ハワイとのご縁

田中さん:

私は三菱UFJ銀行時代にロサンゼルスやニューヨークなどの駐在で、通算14年間アメリカに住んでいました。アメリカ駐在期間中には、ビジネス面のみならず、日米関係の強化や日本のプレゼンスを高めるのための様々な活動に携わりました。

その中の一つが、U.S.-Japan Council(米日カウンシル)の設立や振興のための活動です。アメリカ社会において影響力を持っていた日系人の皆さんが中心となって設立されましたが、日系移民たちの苦難と活躍の歴史を語り継ぐために建設された全米日系人博物館の理事を勤めていた関係からこの活動に参加することになりました。ハワイ選出の上院議員でCPBの創設者の1人であるダニエル・K・イノウエ氏、アイリーン・イノウエ氏、また元アメリカ運輸長官や商務長官を務めたノーマン・ミネタ氏などと共に、私もその設立に尽力致しました。

実は私の母方の親族の中にも、戦前に移民としてアメリカに渡り、日系アメリカ兵として従軍していた人たちがいたのです。のちにこれらの活動をきっかけに彼らの一人とも再会でき、一緒にアメリカ政府から感謝のメダルを受け取るという嬉しい出来事もありました。


こういったさまざまなご縁から依頼を受けて引き受けた米日カウンシルの副会長・評議委員の職も、もう11年目に入りました。これらの活動を通してセントラル パシフィック バンク(CPB)の取締役名誉会長のポール与那嶺氏と知り合い、アドバイザーを務めるに至りました。

私のハネムーンの地も実はハワイ(笑)。コロナ期間にはなかなか訪問できませんでしたが、今後はふたたびハワイとのご縁が深まりそうですね。

日本人がドル資産を持つということ

日本では「円安だから、今はアメリカドルに換えるタイミングではない」という声が多く聞かれます。

しかし、その一方で特に若い世代を中心に、つみたてNISAなどの後押しもあり「貯蓄から投資へ」「投資で自己防衛する」という流れは確実に日本にも起きてきています。その中で人気を集めているのがアメリカ株や、アメリカを含むグローバルマーケットの株や債券などに分散投資する投資信託銘柄です。

つまり、外貨預金のような形で直接ドル資産を持っていなくても、すでに間接投資の形で、アメリカをはじめとした海外マーケットに海外資産を持つ日本人が増えていっているのは、まぎれもない事実なのです。

CPBにも「ハワイで口座開設をしたい」という若い日本の方の来訪が増えているそうです。背景を伺うと「日本では1000万円までしか保護されない預金が、アメリカでは連邦預金保険公社(FDIC)により25万ドルまで保護されるため、資産防衛の一環としての日本から資産を移したい」とのこと。こういう先進的な考えを持つ世代が今後は日本でもさらに増えていくことでしょう。

田中さんはCPBが主催したセミナーにもご登壇(左から二人目)
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為替はサイクル、潮目が変わる時は早いもの

アメリカは5%以上の高い金利をマークしており、さらに利上げする方向ですが、逆に日本はゼロ金利政策を続けています。しかし私は、この流れにも近い将来、変化が出てくるだろうと見ています。

日本の2023年の春闘では過去30年で最大の給与増をマークしました。またコストプッシュ型のインフレなどを背景に、日本の金利もどこかのタイミングで上がることになるでしょう。
 

日米間の金利差が縮まれば、通貨の需要やお金の流れが反転し、円高へと動きます。そしてそれが起きる時には早い動きとなるかもしれません。早ければ2024年にはこの数年の円安から円高へと反転する可能性があると私は見ています。

ハワイ州は非居住者が口座を開設できるアメリカ唯一の州

現在ハワイ州はアメリカの非居住者が口座を開設できるアメリカ唯一の州だと伺いました。私が以前、頭取を務めていた米国本土のユニオンバンクの経営体制が変わり、非居住者の口座開設を受け付ける銀行がなくなってしまったのです。

日本在住の方が、アメリカでの資産形成や資産運用をしたいと考えるならば、ハワイ州は日本人にとって最もアクセスしやすく、そして現実的なエントリーポイントとなります。 

アメリカにおいて資産形成するには色々な方法があります。
例えば、アメリカの不動産を購入するのも一つ。また資産の額によってはアメリカの銀行からドルを借りて、ドルで投資運用するということも可能です。そしてハワイに不動産を持っている方を対象に、CPBでは非居住者の方に不動産を担保にしたローン(HELOC)を提供しています。

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より広い視野で海外での資産や運用を考える時、日本語で全面的なサポートを受けながら、口座開設や投資の相談ができるCPBは、初心者にとっても、非常に心強いパートナーではないでしょうか。

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田中さんから見る「ハワイの未来」とは

ハワイはこれまで強いブランド力に支えられ、多くの旅行者を引きつけてきました。しかし昨今、日本人の目はアメリカのインフレや円安を背景に、例えば時差の無いタイやマレーシア、ベトナムなどのリゾート地にも向いています。彼らがハワイのライバルとして台頭してきているのです。

こうした競争環境の中で、ハワイのホスピタリティ産業が、競争力を上げていく努力は大切です。

つまり、今までとは違う層の人々を引き寄せる新しい取り組みも必要なのではないでしょうか?

私が提唱するのは、ハワイ版のシリコンバレー、「アロハ・バレー構想」です。ハワイ大学を軸に官民連携してテック系のハブをハワイに作り、価値ある人材を集めるのです。住宅価格の高騰や治安悪化の問題からシリコンバレーを去る人材が出始めたと聞きます。住みやすいハワイの魅力は誰しもが知るところですので、米国本土・ハワイ州内に加え日本からも高度な教育を受けた人材(シニア層も含む)などを惹きつけ、呼び戻すようなインセンティブを作り、新産業を生み出すには良い機会では無いでしょうか。

そういった新しい取り組みにより、さらにハワイの未来は発展していくと信じています。


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