2022年9月のハワイ不動産は、戸建住宅、コンドミニアム共に販売件数が大幅ダウンし、ハワイ不動産の減速がより明確になったひと月となった。
前年同月比では戸建住宅の販売件数が34.4%減、コンドミニアムの販売件数が19.3%減と共に二桁台の減少となり、先月比では戸建住宅が11.5%減、コンドミニアムが2.4%減となった。
昨今の住宅ローン金利の上昇が住宅販売に大きな影響を与えているのは明白だ。
ホノルルリアルター協会による2022年9月のマーケットレポート
ホノルルリアルター協会より発表された2022年9月のハワイ・オアフ島の住宅市場レポートによると、9月の不動産売買件数は前年同月比で大幅に減少した。
戸建住宅では、前年同月の424件から278件へと34.4%減の販売数となり、コンドミニアムも前年同月の615件から496件へと19.3%減の販売数であった。
一方で、中間価格はここ数ヶ月横ばいで推移しており、前年同月比で若干上昇した。9月の戸建住宅の中間価格は110 万ドルで昨年同月比で4.8%上昇、コンドミニアムの中間価格は50万2,500 ドルで前年同期比で5.1%上昇した。
- 戸建住宅の販売数は278軒、前年同月比で34.4%減少
中間価格は前年同月比4.8%増で$1,100,000
平均価格は前年同月比1.4%増で$1,307,249
売出期間は先月よりも5日長くなり18日間 - コンドミニアムの販売数は496軒、前年同月比で19.3%減少
中間価格は前年同月比5.1%増で$502,500
平均価格は前年同月比8.9%増で$607,502
売出期間は先月よりも1日長くなり14日間
2022年9月・オアフ島の戸建住宅マーケットの詳細
販売件数が大幅に減少した2022年9月の戸建住宅マーケット。
販売数は278軒、前年同月比で34.4%と先月よりも減少した一方で、中間価格は$1,100,000で前年同月比4.8%増となった。
販売件数はほとんどの価格帯で減少したが、最も売れた価格帯は、80万ドル台で36軒、次に売れた価格帯は90万ドル台で29軒、そして1ミリオン-1.1ミリオンドルで27軒と続いた。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
80万ドル台 | 36軒 |
90万ドル台 | 29軒 |
1ミリオン-1.1ミリオンドル | 27軒 |
1.1ミリオン-1.2ミリオンドル | 23軒 |
70万ドル台 | 23軒 |
より売れている価格帯は、先月や先々月と比較して全体的に下がってきている一方で、販売件数が最も減少したのも60万ドル以上90万ドル以下の価格帯で、前年同月比で45.4%減となった。これは、低価格層の物件がローン金利上昇を背景に買い控えられたことに理由を求めることができ、その結果、中間価格は前年同月比で上昇することとなったと思われる。
なお、リスティング(売り出し)が始まってから物件が売れるまでの平均期間は18日間。これは、先月よりも5日も遅くなっている。
このトレンドに関して、ホノルルリアルター協会会長のチャド・タケスエ氏は、
「金利上昇とインフレにより、買い手は自分の買える範囲を見直しており、これが地元の住宅市場の需要と供給に影響を与えている」と述べていると同時に、
「幸いなことに、オアフ島の10年間の上昇率は歴史的に見ても良好で、金利が約6%であるにもかかわらず、不動産は賢い投資先であることに変わりはありません」と述べ、ハワイ不動産の投資先としての有用性を強調した。
2022年9月・オアフ島のコンドミニアムマーケットの詳細
戸建住宅マーケットのトレンドは、コンドミニアムマーケットでも同様で、マーケット全体としては減速気味である。
販売数は496軒、前年同月比で19.3%と先月よりも減少した一方で、中間価格は$502,500で前年同月比5.1%増となった。
9月に最も売れた価格帯は、40万ドル台。次に30万ドル台、50万ドル台と手頃な価格帯の物件が多く取引された。とはいうものの、70万ドル台の販売数は41件、80万ドル台の販売数は34件と比較的高額の物件も引き続き好調だった。また、先月はわずか5軒であった2ミリオン以上の物件も9件と微増した。
価格帯 | 軒数 |
---|---|
40万ドル台 | 90軒 |
30万ドル台 | 79軒 |
50万ドル台 | 77軒 |
20万ドル台 | 55軒 |
60万ドル台 | 48軒 |
リスティング(売り出し)が始まってから物件が売れるまでの平均期間も14日間となり、戸建住宅と同じく、市場にある期間が伸びた。
また、販売数の減少に伴い在庫は増加したものの、新規リスティング数は減少しつづけており、パンデミック以前の2019年水準より約40%少ない状態が続いている。これは戸建住宅も同様である。
あらゆる面で大きな変化のあった9月の市場全体を振り返り
ホノルルリアルター協会会長のチャド・タケスエ氏は、あらゆる面で大きな変化のあった9月の市場全体を振り返り、
「1年前とは全く異なる市場環境になっています。現在では、市場にある物件が増え、また提示価格を超えて入札される住宅も一般的ではなくなりつつあります。この市場の変化に対応するには、信頼する不動産リアルターと協働することが、より大切です」と述べている。
ハワイ不動産・第3四半期の振り返り
2022年第3四半期は、前年同期を大きく下回る売上で終了した。第3四半期の販売件数は、戸建住宅が前年同期比で27.9%減、コンドミニアムが前年同期比で22.4%減であった。
年度の累計では、戸建住宅マーケットの適正価格の変化が売上に大きな影響を与えており、売上は前年比15.8%減となった。コンドミニアム市場は累計で3.3%減少した。
一方で、第3四半期の中間価格は、ほとんどの地域で1年前より上昇したままであったが、地域によっては、販売価格中央値の上昇が鈍化する現象が見られた。
第2四半期と比較すると、戸建住宅マーケットでは、ノースショア地域が15.1%減、ダイヤモンドヘッド地域が12.8%減、リーワード地域が10.5%減であり、コンドミニアム市場では、マカキロ地域が7.8%減と最も下落した。
来年のハワイ不動産の動きを占う第4四半期はどうなるであろうか。
また、日本側の渡航規制がほぼなくなり、日本人バイヤーのハワイへの渡航も簡単になったことで、今後のハワイ不動産への影響も大きくなるのではないだろうか。円安の影響はあるが今後の日本人バイヤーの動向も見逃せない。
2022年8月の不動産レポートはこちらから>>
2022年7月の不動産レポートはこちらから>>
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