2023年11月5日~9日、ハワイ・タックス・インスティテュート財団とホノルルのシャミナード大学が主催する第60回ハワイ・タックス・インスティテュート・コンフェレンスがシェラトンワイキキホテルにて開催されました。
この学会は、全米第2位の規模を誇るハワイ・タックス・インスティテュート(HTI)が開催する年一回のコンフェレンス。会計士、税理士、弁護士、ファイナンシャル・プランナー、ウェルス・マネジメント、銀行、保険など、富裕層をクライアントに持つプロフェッショナルたちが、ハワイ内からはもちろんのこと、アメリカ本土、そして日本からもワイキキに集いました。最新の税務・法務や増える海外との資産移転についての情報などをレクチャーを通して学ぶとともに、意見交換やネットワークを行うなど盛況となりました。
特に注目すべきなのが「日米アライアンスプログラム」として、日本語によるセミナーも開催されている点です。地理的にも、経済的にも日本との関係の深いハワイならではのプログラムとして、日本人投資家の米国資産運用にまつわるケーススタディや、日本における税務や法務上の判断、米国資産のプロベート回避策など幅広いテーマでのセミナーが開催されました。
「ハワイに住む」でも連載やインタビューなどでご登場いただいているプロフェッショナルの皆さんが講師としてご登壇されていましたのでご紹介します。
内藤 克先生(税理士 ハワイ相続プロジェクト、アーク&パートナーズ代表)
「米国税務申告書の重要項目を見抜く方法-日米の申告書作成者・利用者のために」というテーマで、玉橋準先生とともにセミナーにご登壇。
内藤先生からのコメント
日本とハワイ、両方に事業や資産を持つ方が増えています。そういう方にとって重要なのは、日本ーハワイ両方の税務に通じ、どんどん変わる各国の税制の最新事情をキャッチアップしていて、相談に乗ってもらえるプロフェッショナルを選ぶことです。
我々もこのカンファレンスを通じて、日米の最新事例やリアルな情報を取得するとともに、協業や相談相手となるアメリカ側の弁護士やCPAなど、プロフェッショナルとのネットワークも広げています。やはり直接会って、信頼できる人たちとの繋がりを持つことがクライアントへの質の高いサービスにもつながると思います。
佐野 郁子先生(弁護士 弁護士法人佐野&アソシエイツ)
「日本の富裕層のための生命保険活用法」というテーマで弁護士の佐野郁子先生が、税理士の伊藤耕一郎先生、渡邉浩子先生とご登壇されました。
日本と米国に住む日本人のための米国生命保険の利用可能性についてとは? 日本人の家族にとって有益な結果を生み出すために、取消不能の生命保険信託をどのように利用できるか、ILITの利用方法、死亡保険金の課税、ILITの持分の生前利用の可否などの仕組みを解説。
早川 太基 弁護士(アドビス法律事務所)
「”現地人”の日本人を簡単に信頼してしまうことへの代償:あなたを利用する方法」としてアラン·フジモト弁護士とともに、ハワイやアメリカ本土で残念ながらよく見かける「日本人をだます日本人」がよく使う手口、また回避する方法、また訴訟事例についてレクチャーしました。
ハワイの主要銀行など
「米国非移住者の日本人は米国でローンの融資を得ることは可能ですか。米国の銀行の現状態はいかがですか。」というテーマで、HTIの主要メンバーでる弁護士の先生や、ハワイの主要銀行を始めとしたバンカーの皆さんが登壇。
バックアルター法律事務所の弁護士・畑晴美先生、ファーストハワイアンバンクより澤田親寛さんと面来裕子さん、バンク・オブ・ハワイより早川佳孝さん、またマニファクチャラーズバンクより杉村智代子さんが、日本人オーナーの所有しているハワイ不動産による資金調達について、また最近のアメリカでの銀行破綻事例についてディスカッションを繰り広げました。
足利弥生さん(AOMビザコンサルティング代表)
また、先日「ハワイに住む」主催でEB-5投資家ビザセミナーを実施されたばかりの足利弥生さんも、日米・アライアンス・プログラム・アドバイザリー委員会メンバーとして参加されました。
今後も「ハワイに住む」では、日本・アメリカともに毎年のように見直される税制や法律について、プロフェッショナルの皆さんの取材などでアップデートしてまいります。