「らーめん バリ男」 海外初挑戦でハワイの人気ラーメン店に!その成功の裏側に迫る 【特別対談】岩崎誠氏(バリ男オーナー)×フランク・クラーク氏(リアルセレクトインターナショナル社長)

更新日 2024.10.03

ワイキキ中心部、ワイキキショッピングプラザ地下1階にある「STIXアジアンフードホール」は、 “アジア各地の料理”をコンセプトに日本のラーメンや寿司、そばやうどんをはじめ、台湾や香港などの中華料理、韓国料理やベトナム料理まで、多彩なアジアンフードを楽しむことができるフードコート。その中でもひと際人気を集めるラーメン店が、「らーめん バリ男 BARIO」だ。

 

今日は、バリ男オーナーの岩崎誠氏と、その海外進出をパートナーとして支えるリアルセレクト・インターナショナルCEO /STIXアジアCEOのフランク・クラーク氏の対談をお送りする。

左:岩崎誠氏 右:フランク・クラーク氏

海外で成功する先輩の背中を追ってアメリカへ
「フランクと一緒じゃなければハワイには出店できなかった」

新橋本店をはじめ、東京に4店舗を展開する「らーめんバリ男」は、“二郎インスパイア系”として知られる都内屈指のラーメン店だ。山盛りのもやしに厚切りチャーシューが立てかけられたビジュアルはまさに王道の二郎系だが、他と一線を画すのは、その濃厚でクリーミーなスープ。豚の旨味やコク、脂の甘み、醤油ダレの風味が溶け込んだまろやかなスープを極太麺が持ち上げ、シャキシャキのもやし、トロッととろけるチャーシューとの組み合わせも絶妙だ。

 

ハワイでは、看板メニューの豚骨ラーメンをはじめ、スパイシーラーメン、パクチーやコーンのトッピングバージョンなどのアレンジメニューも展開し、幅広い客層から支持される人気店となっている。

 
ボリュームも味もインパクト大!バリ男味玉ラーメン
STIXワイキキ内のバリ男店舗
https://www.bario-hawaii.com/
 

らーめんバリ男がハワイに初進出したのは2017年。コロナ禍を経て、現在はワイキキのSTIXアジアとアラモアナセンターのフードコート内に2店舗を展開する。

 

岩崎さん:アメリカ進出に興味を持ちはじめたのは、バリ男をはじめて数年経った32、33歳の頃です。その頃すでに、飲食業界の大先輩であり、バリ男の生みの親でもある二代目つじ田創業者の辻田さん、金子半之助創業者の金子さん、田中商店の田中さんがアメリカでも大成功をおさめていて、自分もいつかはアメリカへ、という思いを抱くようになっていました。そんな時、先輩方と一緒にハワイのフードホールに出店する話が舞い込んできて、“これはチャンスだ!”と迷わず飛びついたのが始まりです。

 

その時、岩崎さんの初海外出店をサポート、リードしたのがフランクさんだった。商習慣も違えば言葉も違うアメリカへの進出。辻田氏、金子氏から海外進出の難しさはさんざん聞いていたものの、いざ自分でやってみるとそのハードルは想像以上に高かったと岩崎さんは当時を振り返る。

 

岩崎さん:日本の場合、物件の契約が済めばどんなに遅くても3ヶ月あれば店が始められるのに対して、ハワイではだいたい半年から1年半はかかるのが普通。今ならそれも当たり前だと思えるけれど、最初はそれがわからなくて、我慢できずにフランクにも“なんでこんなに遅いんだ”って何度も相談したことがあったよね(笑)。でも今考えると、フランクと一緒じゃなかったら超えられなかったハードルがいくつもあった。だからフランクやリアルセレクトのチームの皆さんには感謝しかないよ。

 

フランクさん:ハワイへの進出、特に飲食店の進出は、日本と同じ感覚で捉えていると失敗するポイントがたくさんあるから、岩崎さんの初めての海外進出をしっかりサポートできたのは嬉しいよ。

 

岩崎さん:もし自分達だけで海外進出を目指していたら、物件探しから工事業者の選定、内装や設備をどうするか、施工管理や進捗確認をしながら各種許認可をとって、労務関係の体制も整えて…。とてもじゃないけど、うちのような小さな会社では、資金的にも人材的にも難しかったと思う。それにフランクのサポートがあることで許認可申請がやりやすいとか、幅広い人脈、コネクションも惜しみなく提供してくれて、見えない部分やリソース面でもかなり助けてもらったよね。

 

2号店となるアラモアナセンターへの出店でも、この時の経験はすごく役に立った。重要な「アメリカ進出のはじめの一歩」をフランクにリードしてもらえたことで、アメリカのビジネスシーンでの振る舞い方が大枠わかったし、出店後の店舗経営でも自分達のリサーチや感覚を信じて実績を積み重ねることができている。海外出店で押さえるべきポイントやマナー、テクニックも含めてアメリカでの企業経営の基礎をしっかり作れたのはフランクのお陰だよ。

 

フランクさん:開業までのハードルが高いハワイだからこそ、STIXのようなフードホールの一テナントとしてまずは出店してみる。そこで基本的なノウハウがわかれば、自信を持って次の一手を打つこともできる。フードホール出店を足がかりにさらなる展開を目指す、というのはリスクも少なく資金的、人的アドバンテージもある。今後、ハワイ進出を成功させる一つのスタンダードになればと思っているよ。

海外挑戦はトライ&アジャストが何より大事
「タフなだけでは生き残れない」

初出店から7年、その間にはパンデミックもあり現在は複数店舗を持つまでに成長した「バリ男」。その過程で、日本で培ってきたセオリーにこだわらず、とりあえずやってみる。そんな“身軽さ”も海外挑戦には不可欠だと岩崎さんは言う。

 
岩崎さん:日本とハワイの店舗ではメニューはかなり変えています。私も最初の頃は、「自分達がいいと思うラーメンが売れないなら、それもやむなし」と思っていたのですが、アメリカでビジネスをやるうちにそれじゃダメだと(笑)。日本人には太麺の豚骨ラーメンを食べるなら、そこの専門店にいきたいという感覚があるのですが、アメリカは、ことラーメンに関しては「色々選べる」選択肢の多さの方が好まれます。そもそも、日本とアメリカでは食文化、舌の好みもまったく違うので、それに気づいてからはスタッフの意見も取り入れながら新しいメニューにも挑戦するようになりました。
 

フランクさん:バリ男は太麺、細麺が選べるのがいいよね。スパイシーラーメンも人気。でも最初の頃は太麺だけだったし、メニューも全然違った。ハワイのスタッフの意見を取り入れてどんどん進化しているのが素晴らしい。スタッフのみんなも岩崎さんのことリスペクトしているのが伝わってくるよ。

 


岩崎さん:ハワイ進出を実現できたのは、フランクの惜しみないサポートとバリ男スタッフ一人ひとりの努力によるもの。新しい土地での挑戦は決して楽なものじゃなかったけど、みんなで一丸となってそれぞれの役割を全力で果たしたからこそ、夢を実現することができた。

 

今になってみて、海外で生き残っていくのは簡単なことじゃないと改めて思うよ。資金的にもメンタル的にもタフじゃないと海外ビジネスでは通用しない。でも、タフなだけでも生き残れない。

 

特に自分達のような小さな会社は、フランクやマーケティングチームからのサポート、経営や店舗運営に関するプロの意見、フードホールの仲間達との情報交換、そういう人との繋がりに今まで助けられてきたから、いい意味で人に頼ったり変化を恐れずに柔軟に考えることもすごく大事にしているよ。

 

フランクさん:岩崎さんはフードホールの中でもキャリアが長いから、みんなから頼りにされているよね。僕は、バリ男のラーメンは本土のアメリカ人にもウケると思っているんだ。特にスープが美味しくて、ボリュームたっぷりなのも欧米人は好きだから(笑)。「STIX」も本物のアジアンフードや日本食文化をもっと広げていくために本土への進出も計画中なんだ。次のフードホールを計画する時にも、バリ男と一緒に挑戦したいと思っているよ!

 

岩崎さん:新しいプロジェクトにはぜひ参加したいね!フランクにはマーケティングの観点から意見をもらえるからいつも助かってるよ。これからもパートナーとしてお互いの夢を実現していこう!


 

日本では熱狂的なファンも多い”二郎系ラーメン”。中でもバリ男は、ラーメン作りへのこだわり、エッジの効いたメニュー展開などで唯一無二のポジションを確立してきた。ハワイでさらにパワーアップしたバリ男が今後、ハワイ、そしてアメリカ本土でどんな風に進化していくのか期待が膨らむ。
 

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