ハワイ州内では、3月26日からのロックダウンによって、4月後半から6月1日現在まで、一日の感染者数はゼロ人~数人と新型コロナウィルス感染抑え込みは成功している。
全米一の低感染率の州となった。
徐々にハワイ州内経済の再開は進んでいるものの、「外出自粛」と、「州外からの渡航者に対しての14日間の自己隔離義務」は、6月30日までの延長が発表されている。
さらに5月28日には、ハワイ州のイゲ知事は、「州外からの渡航者に対する14日間の自己隔離義務」を6月末を超え、7月に入っても延長する、と発表。
そんな中、アメリカ各地、また世界的には観光業の再開に踏み切る国や地域が増えている。3月26日のロックダウンから早くも2カ月が経過したハワイ州の今後はどうなるのだろうか。
ロックダウンから3カ月目。オアフ島内は段階的に経済再開
5月11日の記事こちらの記事で紹介したように、4月、5月と、島内の経済活動は段階的に解除されてきており、6月に入ってからも解除が続く。
解除第一弾【オアフ島の4月30日からの再開業種】
- 不動産業者によるオンラインやリモートでのサービス
- 予約制の自動車販売・リース
- 機械式洗車などの全自動式サービス
- ペットの出張グルーミング・
サービスや出張洗車サービスなどの出張サービス - ピアノの個人レッスンなど1対1対応の個人サービス
- 公営及び民営のゴルフ場
解除第2弾【オアフ島の5月15日からの再開業種】
- ショッピングモール・小売店舗
- 花屋、ランドスケープなどの食品でない農業
- 天文台やその関連サービス
- 出張ベースでのペットグルーミングサービス
- 選択的な手術を含む医療サービス
- 今までエッセンシャルサービスに入っていなかった非営利活動
- ホールセールビジネス
解除第3弾【オアフ島の5月28日からの再開業種】
- 理美容店、ネイルサロン、タトゥーサロンなどのパーソナルサービスのサロン
- 野外のウォーターパークや、キャンプ場などの施設
解除第4弾【オアフ島の6月5日からの再開業種】
- レストラン店内飲食
- 重要業務以外(ノンエッセンシャル)な業務でのオフィスワーク
10名以下のプライベートな集まりも可能になる。店内飲食も1グループ10名までで各グループを2メートル以上離してのシーティングで再開。
解除第5弾【オアフ島の6月19日からの再開業種】
- インドアのスポーツジム
- 映画館や博物館、美術館など
6月1日段階で、再開のめどが立っていないのは「バー、クラブ、大型イベント」を残すのみとなった。
完全再開ではないものの、観光客の方がハワイに戻ってきたとしても、買い物も外食もできるようになってきた。
いよいよ、観光業の再開へカウントダウン
そんな中、6月1日、大きな発表があった。
イゲ知事がハワイ州住民の州内の旅行・隣島間の行き来を、6月16日より再開OKと発表した。これにより、14日間の自己隔離なく、ネイバーアイランドに行き来できる。
そして同日、イゲ知事は「6月8日の週に、州外からの渡航者に向けた観光再開について発表を行う予定」と言及。
すでに5月28日時点で、ハワイ州のグリーン副知事が「州外からの渡航者に向けた観光再開は7月中旬からを期待している」とコメントしていたが、現実になりそうな流れである。
14日間の自己隔離義務解除後の、受け入れ態勢は?
ハワイ州住民が州内の隣島間の旅行をする際には、14日間の自己隔離がなくなる代わりに、空港での
・健康チェック(health screeining)
・体温モニターチェック
・渡航歴、住所、旅先での滞在先の提出
を行い、感染者が出た際の追跡調査を徹底できるようにするという。
州外からの渡航者については、いろいろな策が検討されているが、検討中の案としてとしてはこの二つが有力そうだ。
1、日本を含む、低感染国の優先受け入れ案
具体的にイゲ知事が言及したのが、「オーストラリア・ニュージーランド・日本・韓国」という4つの低感染国については「別枠扱い」で14日間の自己隔離なしに受け入れるという案について「当局が注力している」という案。である。いずれも、ハワイにとっては重要なマーケットであり、なおかつ低感染国であり、ハワイとしては最初に戻ってきていただきたいビジターたちだ。
ただし、これが実現した場合の、具体的な入国・出国プロセスについては不明だ。
現在、国同士としてのアメリカと日本の間には、渡航制限がかかっている。しかし、「ハワイという州」と「日本という国」の間には、例えば日本の運転免許証で、ハワイで合法的に車が運転できるなどの特別措置の前例がある。今回のようなハワイ―日本間だけの隔離ルールの緩和についても、過去の強いリレーションで実現することを期待したい。
2、感染検査で陰性の人のみ、ハワイ便に搭乗させる案
これは主にアメリカの本土からの渡航者向けの策のようだが、
ハワイ行きのフライトチケットを購入した人は、ハワイ到着前72時間以内に、クリニックやドラッグストアなどで感染テストを受け、テスト結果が本人とエアラインに届き、陽性の場合には予約はキャンセルになる仕組みを検討中とのこと。
未検査の人については、搭乗を拒否することはできないため、到着後に検査を受けることになるという。そこで陽性が判明すれば出発地に戻るか、州の隔離施設に収容されるかだという。
日本と違い、感染テストを大量に行う主義のアメリカでは、クリニックなどで症状がなくても陽性かどうかのテストが本人の意思で受けられる。大手ドラッグストアチェーンのと連携を模索しているという。
州外からの渡航者受け入れの発表に向け、こういった実務的な準備に州として追われていることだろう。
アメリカ国内の観光業の再開は?
そんな中、アメリカ本土では観光業再開に踏み切る州が増えてきた。
6月1日より、フロリダ州は有名な観光地フロリダキーズを再開、
6月4日より、ネバダ州のラスベガスではカジノが再開予定、
7月11日からはフロリダのディズニーランドも段階的に再開予定など、
少しずつアメリカ国内旅行者向けの観光業が再開しつつある。
ただし、アメリカ国内でも州によって感染者の多寡にばらつきが大きく、全米あげて「国内旅行にいこう!」といった動きが出てくるのはもう少し先になりそうだ。
他国の海外からの旅行者受け入れの再開事情は?
日本
日本政府も、日本へのインバウンドの受け入れについては具体的な解除スケジュールは発表していない。新型コロナウィルスの収束にむけ、抗体検査やPCR検査によって非感染が確認されたビジネス渡航者に「陰性証明書」を発行し、中国などへの渡航を容認する方向で検討に入ったと、5月15日の時事通信が報じている。
急を要する出張者から徐々に解除していく方針のようだ。
ヨーロッパ
イタリア、ギリシャなど観光立国が多く、EUという枠組みをもつヨーロッパは動きが早い。
まずは季節労働者のEU内の国境を越えた移動を認めるのが第一弾。その後、ウイルスを同程度封じ込めている国同士の国境を開くとのことで、バルト3国の間では往来がOKになっていたり、オーストリアとドイツは6月15日から両国間を制限なしで行き来できるようになる。
その次のステップが、EU域内のすべての国境を開放する計画。5月18日には、イタリア、ギリシャなどの11か国が感染リスクを最小限に食い止めながらも国境を開放するための合意を結んだ。観光国イタリアは6月3日からEU圏内からの外国人観光客の受け入れを発表している。
そして、最終段階であるEU圏外からの渡航者に対しても、ヨーロッパの観光国が最もアグレッシブに開放に動いている。
ギリシャは6月15日から日本や中国など29カ国から外国人の観光客受け入れを再開することを決めた。スペインも7月1日から外国人受け入れ再開の予定など、コロナ禍からの復活を急いでいる。
このように連邦政府の決定や、アメリカ国内の動き、世界各国の動きをにらみながら、ハワイ州としてできる限りの道を模索しているところだ。
7月に日本からの渡航が再開されるのだろうか? また続報をお届けする。
実
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